小樽市
印刷する小樽市は、道西部に位置し、北は石狩湾(小樽湾)に面する。東は石狩市、南は札幌市、赤井川村、西は余市町と接する。
JR函館本線、国道5号、393号、札樽自動車道が通じ、3箇所のインターチェンジがある。市内を路線バスが走る。他に海路があり、敦賀舞鶴、新潟との航路(新日本海フェリー)がほぼ毎日運航されている。また外国籍のクルーズ船も多数入港しており、「ダイヤモンド・プリンセス」など10 万tを超える大型客船も入港している。
坂の町と称されるように、市域を赤岩山、天狗山、毛無山が取り囲み、市街は海岸段丘上にある。色内川、於古発川、勝納川などが流れ、それらの河口付近と埋立地以外は平地が少ない。北西部に伸びる日本海に面した部分の海岸線の長さは約 70 kmに及ぶ。いくつかの岬状の地形がある自然海岸であることが特徴で、一部は国定公園に指定されている。多くの野生動物、植物が暮らし、エゾヒグマの生息域でもある。天然記念物のクマゲラや絶滅危惧種のニホンザリガニなど希少種の生息も知られている。
1922年(大正11)市制施行、1940年(昭和15)1町1村、1958年1村を編入。近世は小樽内といい、アイヌ語の「オタルナイ」(砂だらけの沢、砂浜のなかの川)に由来する。享保年間(1716~1736)の松前藩による場所(藩直轄地、知行地)開発に始まり、松前藩士の委託で蝦夷交易を行う場所請負人を中心にして栄え、各場所には運上屋が設けられた。1869年(明治2)小樽と改称。1872年(明治5)に築港された小樽港は石狩炭田の石炭積出し港となり、その後1889年(明治22)に特別輸出港の指定を受け、道内のみならず中国などの大陸への連絡港、貿易港として栄えた。第二次世界大戦後は、海運の停滞、札幌市に近接しすぎることによる影響、苫小牧港造成の影響を受けたが、なお商工都市としての機能は道内屈指で、北海道日本海沿い最大の商業都市となっている。
卸売・小売業、サービス業が主で商業が卓越している。経済の中心は湾岸沿いの色内地区で、卸売商、通運、商社、銀行などが多い。小樽港は第1~第3埠頭、中央埠頭、若竹貯木場などの施設をもち、重要港湾に指定されている。工業は道央新産業都市の一部として、ゴム、木材、金属、機械、食品などの工場があり、都市型消費材工業の性格が強い。野菜、果樹などの都市近郊型農業もある。
スキー場も多く名選手を生んでいる。国史跡に手宮洞窟と忍路環状列石、国指定重要文化財に旧日本郵船株式会社小樽支店がある。また積丹半島の泊村から移築した鰊御殿や、手宮機関庫を用いた小樽市総合博物館本館(旧、小樽交通記念館)、文学館、水族館などがある。海岸に沿って大正時代につくられた運河の周辺には、石造建築の倉庫が建ち並び、港町らしい景観をみせており、都市再開発のため運河は埋立てられたが、保存運動により一部が残され、散策路が整備された。倉庫を利用した小樽市総合博物館運河館(旧、小樽市博物館)やガラス工房などがあり、新しい観光地としてにぎわっている。西部の海岸一帯はニセコ積丹小樽海岸国定公園に含まれる。東部には朝里川温泉がある。
観光資源一覧
北海道のカニ料理 (北海道 札幌市 / 北海道 函館市 / 北海道 稚内市 / 北海道 小樽市 / 北海道 紋別市 )
カニの漁獲量は北海道が1位で全国の20%を占めている。 北海道産のカニといえばタラバガニ、花咲ガニ、毛ガニ、ズワイガニなどがある。かつては豊富に獲れたカニも、今では高級品である。 ゆでたての肉をそのまま食べるのがポピュラーだが、ほかにも本場北海道ならではのさまざまなカニ料理がある。 人気のタラバガニは、北海道では...
小樽の運河と石造り倉庫群 (北海道 小樽市 )
小樽市は札幌の西側、札樽道で約38kmに位置し、明治中期から昭和初期に北海道の経済・物流の中心として栄えた都市である。今でも当時の石造り倉庫や銀行建築などが残り、当時の繁栄の姿を偲ばせる。 小樽運河は小樽駅から港に向かって坂を下ったところにある。幅20~40m、長さ1,120m(完成時は約1,300m)の運河で、周囲は明治・大正期に建...
おたる水族館 (北海道 小樽市 )
小樽駅の北、直線距離で約5kmの祝津にあり、日本海に隣接した豊かな自然環境に恵まれた水族館である。1958(昭和33)年に北海道大博覧会の「海の会場」として建設され、翌年「小樽市立水族館」として営業を開始した。その後1974(昭和49)年に新館(現 本館)を竣工し株式会社小樽水族館公社の経営で現在に至る。 北の魚類、海獣類を中心...
鰊御殿 (北海道 小樽市 )
小樽駅の北側、直線距離で約5kmの祝津にある高崎岬の高台にあり、日和山(ひよりやま)灯台やおたる水族館に隣接している。ここにある小樽市鰊御殿は、西積丹泊村から1958(昭和33)年この地に移築されたもと網元*の母屋で、間口29m、奥行13m、面積611.9m2の建物。鰊親方田中福松が1898(明治31)年に建築したもので、田中漁場の...