高千穂の夜神楽たかちほのよかぐら

神代のむかし、天照皇大神は弟、須佐之男命の荒ぶる行いに怒り、天岩戸に隠れ世は闇に閉ざされた。困った八百万神は集って相談し、岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)に声おもしろく歌い踊らせ、一座は笑い興じた。不思議に思った天照皇大神が岩戸を細目に開けたところを、手力男命(たぢからおのみこと)が岩戸を取り払い、天照皇大神を外に連れ出すと、世は再び明るくなったという。これが神楽の起源になったとされ、ゆえに岩戸神楽ともいう。その後天照皇大神の命によって、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が諸神を率いて天上の高天原から日向の高千穂峰に天降りし、天照皇大神を天岩戸に祀り、岩戸神楽の神事を行うようになったといわれる。
 1978(昭和53)年、「高千穂の夜神楽」として国の重要無形民俗文化財に指定された。毎年11月下旬から翌年の2月上旬までの間に、高千穂町内の18の地区ごとに、氏神様を「神楽宿」とよばれる、農家や公民館にお招きし、五穀豊穣を祈って神楽を奉納するというもの。神楽宿は毎年変わり、農家の表座敷を神庭としてしめ縄を張り、笛や太鼓に合わせ、夕方から翌日の昼過ぎまで夜を徹して三十三番を舞い納める。1978(昭和53)年、「高千穂の夜神楽」として国の重要無形民俗文化財に指定された。
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みどころ

高千穂町にある18の集落で行われるが、舞う順番や題目など、各集落ごとに異なり、また「ほしゃどん」とよばれる地元の舞手の個性などもさまざま。同じ夜神楽ではあるが、集落ごとにまったく雰囲気が異なるので、できればいくつかの夜神楽をめぐってみるのがおすすめ。
 どの題目も見応えがあるが、特に人気があるのが、 夜明けごろに行われる岩戸五番。天照皇大神が天岩戸にお隠れになり、天鈿女命の舞によって天照皇大神が姿を表すという日本神話が題材。
 夜神楽は観光客の受け入れも行っているが、元来は地域の催事。見学する際には初穂料やご神前を持参して伺いたい。日程や情報は高千穂観光協会のホームページなどに掲載されている。このほか、高千穂神社の神楽殿では観光客向けの高千穂神楽の奉納も行われているので、手軽に楽しみたい人にはこちらもおすすめだ。
関連リンク 一般社団法人高千穂町観光協会(WEBサイト)
参考文献 一般社団法人高千穂町観光協会(WEBサイト)
神話のふるさと宮崎(宮崎県)(WEBサイト)

2020年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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