高良大社こうらたいしゃ

市の東郊高良山にある。4世紀の創祀と伝え、筑後國一之宮であり古くは九州の宗廟とあがめられた。全国六社のうち九州では一社だけしかない国幣大社*である。
 現在の社殿は1660(万治3)年に筑後久留米藩3代藩主・有馬頼利公が造営したもので、天竺様、唐様*、和様を用いた杮(こけら)葺の権現造*。また、山内には孟宗金明竹と呼ばれる竹林が自生する。表皮が黄、緑、黒の3色に彩られた珍種で国の天然記念物に指定されている。また、高良山一帯には、古代の山城跡とも、神域の標示ともいわれる神籠石もある。
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みどころ

歴代皇室からの崇敬があつく、鎌倉時代までは社殿などを建てる際などには勅裁(天皇による裁可)を要したという歴史があり、興味深い。
 国の重要文化財に指定されている、江戸初期の権現造の社殿が見事。幅約17m、高さ13m、奥行き32mで、神社建築としては九州最大級の大きさを誇る、豪壮な社殿である。本殿は標高312mの高良山の山頂に近い場所にあり、眺望もすばらしい。晴れた日には眼下に広がる筑後平野と平野を二分するかの如く蛇行する筑後川(通称:筑紫次郎)の流れを一望できる。
 車で本殿近くまで行けるが、足に自信がある人には麓から歩いて登るのもおすすめ。雰囲気のよい石段が整備され40分〜1時間ほどかかるが、周囲の自然を楽しみながら登れる。
 また、頂上付近には桜の名所が、また、本殿裏手には江戸時代末期にキリシマツツジを原種として、新種の改良に成功したことで生まれた久留米ツツジの原木に繋がる貴重な群生もあり、開花の時期に訪れたい。最近、小型のモノレール(スロープカー6人乗り)が設置され、それを利用するのも思い出のひとつとなる。
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補足情報

*国幣大社:旧国幣大社とは、気多神社(石川県)、大山祇神社(愛媛県)、高良大社(福岡県)、多度大社(三重県)、熊野大社(島根県)、南宮大社(岐阜県)のこと。
*唐様(禅宗様)建築:鎌倉時代に禅宗とともに輸入された北宋の建築様式。禅宗寺院建築は後代までこの様式によった。木割細く、装飾的細部が多く、平安時代以来の建築様式(和様)に大きな影響を与えた。
*権現造:桃山時代に起こった建築様式。本殿と拝殿を板敷の石間でつなぎ、一連の建物としたもの。そのため外部内部構造とも複雑になっている。
関連リンク 高良大社(WEBサイト)
参考文献 高良大社(WEBサイト)
公益財団法人久留米観光コンベンション国際交流協会(WEBサイト)

2020年04月現在

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