道後温泉本館どうごおんせんほんかん

道後温泉は、松山市街の北東端に位置する『坊っちゃん』でおなじみの名湯であり、日本三大古湯の一つ。その道後温泉のシンボルとして、今も多くの湯客に利用されている共同浴場が、道後温泉本館である。近代的旅館の立ち並ぶ温泉街の中央に、1894(明治27)年建築の瓦葺、三層楼の建物が、威風堂々とした姿を見せる。日本の公衆浴場として初めて、1994(平成6)年に国の重要文化財に指定された。
 1階は神の湯と霊(たま)の湯の2つの浴場を利用でき、2階は湯客の休憩室がある。ここでは、浴衣の貸与と湯茶の接待がある。3階は団体・家族向けの霊の湯個室休憩室があり、奥には夏目漱石ゆかりの「坊っちゃんの間」がある。屋上には、白鷺を飾った太鼓楼の振鷺閣があり、朝・昼・夕の3回、刻太鼓が打ち鳴らされ、温泉情緒を深めている。また本館東側には1899(明治32)年に創建された皇室専用浴室の又新殿(ゆうしんでん)が立つ。桧皮葺で桃山風の優雅な建物で、内部の玉座の襖は金地に花鳥を施し、浴槽は庵治石造である。(令和5年1月現在、保存修理工事を行っており、霊の湯のみ営業中)
#

みどころ

道後温泉本館は、日本最古といわれる道後温泉を象徴する存在として、古くから市民に愛されてきた。国の重要文化財でありながら、現役の公衆浴場として営業を続けており、実際に入浴できるのが最大の魅力である。安価な価格で伝統ある名湯を楽しめることから、観光客のほか、地元住民にも銭湯感覚で親しまれている。特に、神の湯は、石造りの浴室に砥部焼(とべやき)の陶板画が飾られ、大きな円柱形の「湯釜」と呼ばれる湯口が浴槽に鎮座しており、独特な雰囲気が味わえる。当時の面影を感じながら、源泉かけ流しの湯を満喫したい。
 また、道後温泉本館の南側に位置する「空の散歩道」からは道後温泉本館を含む温泉街が一望できる。特に、幻想的で優しい雰囲気が味わえる夜がおすすめで、夜景を上空から見下ろしつつ、湯上がりの散歩を楽しみたい。
関連リンク 愛媛松山 道後温泉(WEBサイト)
関連図書 坊っちゃん(夏目漱石著)
参考文献 愛媛松山 道後温泉(WEBサイト)
道後温泉物語(道後温泉旅館協同組合)(WEBサイト)
松山市(WEBサイト)

2022年11月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。