周防国分寺
JR山陽本線防府駅から北東に約2km、防府平野の北端に建ち、741(天平13)年聖武天皇の勅願によって諸国に建てられた国分寺のひとつ。周防国分寺の創建は不詳だが、756(天平勝宝)年よりはさかのぼるとされている。西北約900mのところには国府跡があり、西側には周防国分尼寺があったと見られる。寺域は200m四方あったとみられ、発掘調査の結果から、中門跡、回廊跡、南門跡などの配置が明らかになり、それが現在ある金堂(本堂)と仁王門を結ぶ南北中軸上にほぼ並んでいたことが分かっている。
現在の寺域は創建当初より狭くなってはいるものの、その寺域内に遺構・遺跡を有するのは、全国の国分寺遺構でも珍しい事例である。現在は、白い築地塀とケヤキやクスの巨木に囲まれた境内に、江戸期に毛利氏によって再建された仁王門*1・金堂*2・聖天堂などがある。また、本堂には室町時代の作である藥師如来坐像*3や、本尊の両脇侍である藤原期初期の日光・月光菩薩立像*4、同じく藤原期の四天王立像*5が安置されている。
現在の寺域は創建当初より狭くなってはいるものの、その寺域内に遺構・遺跡を有するのは、全国の国分寺遺構でも珍しい事例である。現在は、白い築地塀とケヤキやクスの巨木に囲まれた境内に、江戸期に毛利氏によって再建された仁王門*1・金堂*2・聖天堂などがある。また、本堂には室町時代の作である藥師如来坐像*3や、本尊の両脇侍である藤原期初期の日光・月光菩薩立像*4、同じく藤原期の四天王立像*5が安置されている。

みどころ
まず、仁王門前の東西に続く築地塀が印象的だ。仁王門に向かうと2本のクス(樹齢約700年)の大木が存在感を示す。質素だが堂々とした楼門の仁王門をくぐると、広い境内の正面に金堂がどっしりと建つ。二層入母屋造りの金堂の外観は古代以来の面影を遺すなか、唐破風造の向拝などには近世的な特徴があらわれているという。
金堂の裏手の寺務所に声をかければ、金堂に安置されている仏像群を拝観できる(有料)。どっしりと構えた本尊をはじめ、温和で柔らかな腰高の両脇侍、表情豊かな四天王立像と間近に対面でき、その造仏の時代差を感じさせない調和を感じる。ぜひ、金堂内を拝観されることお勧めする。
金堂の裏手の寺務所に声をかければ、金堂に安置されている仏像群を拝観できる(有料)。どっしりと構えた本尊をはじめ、温和で柔らかな腰高の両脇侍、表情豊かな四天王立像と間近に対面でき、その造仏の時代差を感じさせない調和を感じる。ぜひ、金堂内を拝観されることお勧めする。

補足情報
*1 仁王門:桁行3間(9.94m)、棟高12.12mの重層入母屋造の楼門。現在のものは1596(慶長元)年に毛利輝元が建立し、1767(明和4)年に萩(長州)藩7代藩主毛利重就が修築したものを、さらに1911(明治44)年に大修理し、1956(昭和31)年に解体修理をしている。
*2 金堂:現在の金堂は毛利重就が1779(安永8)年に建立したもの。建物は桁行7間(22m)、棟高18mで、二層入母屋造の大堂。内部は天井が高く大空間のなかに古式の須弥壇を置く。内陣には50体以上の仏像が安置されている。1997(平成9)年に解体修理を行っている。
*3 藥師如来坐像:創建当初、本尊は釈迦如来だったが、平安初期ごろまでに薬師如来に変わったといわれている。この当時の本尊は室町時代に焼失し、現在の薬師如来立像は周防の守護職だった大内盛見が1421(応永27)年に建立したものだ。坐高218cm、ヒノキの寄木造り。
*4 日光・月光菩薩立像:本来は左右対称に造仏されるが、この両脇侍は左右同形。像高182cm、ヒノキ一本木造。藤原期初期の作。
*5 四天王立像:須弥壇の四隅に持国天・増長天・広目天・多聞天が安置され、それぞれに甲冑をまとい、剣・鈷・三鈷・宝塔を手にして足下に邪鬼を踏みつけている。像高213cm、ヒノキの一木造、藤原期初期の作。
*2 金堂:現在の金堂は毛利重就が1779(安永8)年に建立したもの。建物は桁行7間(22m)、棟高18mで、二層入母屋造の大堂。内部は天井が高く大空間のなかに古式の須弥壇を置く。内陣には50体以上の仏像が安置されている。1997(平成9)年に解体修理を行っている。
*3 藥師如来坐像:創建当初、本尊は釈迦如来だったが、平安初期ごろまでに薬師如来に変わったといわれている。この当時の本尊は室町時代に焼失し、現在の薬師如来立像は周防の守護職だった大内盛見が1421(応永27)年に建立したものだ。坐高218cm、ヒノキの寄木造り。
*4 日光・月光菩薩立像:本来は左右対称に造仏されるが、この両脇侍は左右同形。像高182cm、ヒノキ一本木造。藤原期初期の作。
*5 四天王立像:須弥壇の四隅に持国天・増長天・広目天・多聞天が安置され、それぞれに甲冑をまとい、剣・鈷・三鈷・宝塔を手にして足下に邪鬼を踏みつけている。像高213cm、ヒノキの一木造、藤原期初期の作。
関連リンク | 周防国分寺(WEBサイト) |
---|---|
参考文献 |
周防国分寺(WEBサイト) 山口県教育会編「山口県百科事典」周防国分寺など 1982年 239/561 国立国会図書館デジタルコレクション 御薗生翁甫編「防府市史 上巻 第2版」1961年 124/268 国立国会図書館デジタルコレクション 文化庁「文化遺産オンライン」周防国分寺金堂(WEBサイト) 周防国分寺パンフレット |
2025年03月現在
※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。