出雲大社大祭礼いづもおおやしろだいさいれい

「山陰無双之節会、國中第一之神事ナリ」と称えられるほど盛大な祭事であった「三月会(旧暦3月1日~3日間)」を引き継ぎ、出雲大社が官幣大社に定められたのを記念して、1886(明治19)年から開催されるようになったもので、5月13日を前夜祭とし、14日から16日の3日間に渡る儀式は大祭礼と呼ばれている。
 14日は「勅祭日」と呼ばれ、天皇の大御使である勅使が訪れて、天皇からの御幣物が納められた唐櫃が供えられ、御祭文が奏上される。15日の二之祭では地元大社町の氏子たちが神輿を繰り出し、稚児行列とともに練り歩く「神輿渡御祭」が、16日の三之祭では出雲屋敷地鎮祭にてお祭りをされた大勢の方々が参列して「出雲屋敷感謝大祭」が斎行される。
 この他、出雲神楽の奉納や奉納俳句展、華道展・盆栽展などの各種展示会、また相撲・野球・柔道・剣道のスポーツ大会なども行われる。また、参道入口にある広場の勢溜(せいだまり)には露天も立ち並び、多くの参拝者で賑わう。
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みどころ

14日の朝、的射祭(まといさい)では、出雲大社の松の参道で、神職によって矢が放たれ、境内が祓い清められる。1年に1度、この例祭にしか着さない正服に身を包んだ神職たちが、天皇からの御幣物を迎え、本殿前に奉納する。古式ゆかしい雅やかな祭儀が厳粛な雰囲気の中で執り行われていく様は必見である。
 期間中、執り行われる祭儀のほかに、地元をあげて賑やかに開催される様々な催しには、出雲大社と地元との一体感、郷土愛などが感じられてあたたかな気持ちになる。