相国寺承天閣美術館
地下鉄今出川駅から徒歩8分、広大な相国寺の境内にある。相国寺は1392(明徳3)年に室町幕府第3代将軍・足利義満が創建した臨済宗相国寺派の大本山。京都五山の中心的存在として宗教界だけでなく、政治・文化面でも多くの高僧が活躍した。承天閣美術館はその相国寺や、境外塔頭の鹿苑寺(金閣寺)・慈照寺(銀閣寺)などが所蔵する文化財を保管、展示、研究するため、1984(昭和59)年に開館した。2004(平成16)年には閉館した萬野美術館(大阪市)から国宝・重要文化財を含む約200点の美術品が寄贈され、2007(平成19)年には増改築を行ってリニューアルオープン。展示室の面積は従来の倍以上となった。
現在は国宝5点、重要文化財145点を含む多数の文化財を収蔵。伊藤若冲*筆の水墨画「鹿苑寺大書院障壁画」(重要文化財)の一部は常設展示され、大きなみどころとなっている。
現在は国宝5点、重要文化財145点を含む多数の文化財を収蔵。伊藤若冲*筆の水墨画「鹿苑寺大書院障壁画」(重要文化財)の一部は常設展示され、大きなみどころとなっている。

みどころ
中近世の高僧の墨蹟、絵画、茶道を中心に多数の文化財を収蔵。長谷川等伯の「竹林猿侯図屏風」(重要文化財)、伊藤若冲の「釈迦三尊像」、円山応挙の「七難七福図」(重要文化財)といった有名絵師の作品も多く、企画展などで随時公開される。常設展示品としては、金森宗和が造ったと伝わる鹿苑寺境内の茶室「夕佳亭(せっかてい)」を第1展示室に復元。第2展示室には伊藤若冲の「鹿苑寺大書院障壁画」のうち、「葡萄小禽図床貼付」「月夜芭蕉図床貼付」の2点を展示する。近世京都画壇の奇才・若冲の傑作を、静謐な空間で間近に鑑賞できる。
第1展示室と第2展示室を結ぶ回廊は、一面のガラス窓の向こうに「十牛の庭」が眺められ開放感たっぷり。館の入口手前にある枯山水庭園「普陀落山の庭」、中庭の小さな枯山水も趣がある。
第1展示室と第2展示室を結ぶ回廊は、一面のガラス窓の向こうに「十牛の庭」が眺められ開放感たっぷり。館の入口手前にある枯山水庭園「普陀落山の庭」、中庭の小さな枯山水も趣がある。

補足情報
*伊藤若冲:1716~1800年。江戸中期の絵師。京都錦小路の青物問屋「枡源」の長男として生まれる。絵画と禅に傾倒し、40歳で家業を弟に譲って隠居、画業に専念した。写実的描写、奇抜な構成、鮮やかな色彩を特徴として花鳥画などを描き、特に鶏の絵を得意とした。若冲は相国寺第117世の大典和尚を師とし、絵や書の指導も受けた。絆は深く、1765(明和2)年、相国寺に「釈迦三尊像」と「動植綵絵」を寄進(現在、動植綵絵は宮内庁蔵)。また、1759(宝暦9)年には鹿苑寺大書院の障壁画も描いている。
関連リンク | 相国寺承天閣美術館(WEBサイト) |
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参考文献 |
相国寺承天閣美術館(WEBサイト) 「京都ミュージアム探訪」京都市内博物館施設連絡協議会 |
2025年05月現在
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