梅宮大社うめのみやたいしゃ

阪急嵐山線松尾大社駅から東へ徒歩10分、桂川に近い梅津*にある。楼門・拝殿・本殿が一直線に並び、本殿は檜皮葺の美しい屋根をもつ三間社流造の建物。「延喜式」に載る名神大社*としての風格が漂う。約1,300年前、橘諸兄の母・県犬養三千代が橘氏の氏神として、橘諸兄の別荘があった京都府綴喜郡井手町に祀ったのが始まり。後に、嵯峨天皇の皇后である橘嘉智子(檀林皇后)*が現在の地に遷した。
 檀林皇后が皇子のないのを憂い当社に祈願したところ、仁明天皇を懐妊した。これにより子授・安産の神として尊ばれ、「またげ石」をまたいだり、産砂(うぶすな)を授けたりする風習が今もなお伝わっている。また御祭神が酒解神(大山祇神)であることから酒造家の信仰も集めている。約1万m2の神苑では、春の梅や桜、4月末~5月中旬はカキツバタ・霧島ツツジ、6月中旬ごろはハナショウブ、アジサイなどが咲く。
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みどころ

梅宮大社という社名どおり、梅の名所として知られる。毎年2~3月ごろには約35種400本の梅が開花し、境内は梅の香りに包まれる。夏になると梅の実(招福梅)の土用干しが拝殿のそばで行われる。神苑は、東神苑・西神苑・北神苑からなる回遊式の庭園。梅をはじめとする花の名所になっており、四季折々の花を楽しむことができる。
 最近は、猫がいる神社としても知られる。境内のあちらこちらでのんびり寛ぐ猫の姿をみているだけで、思わず時間を忘れてしまう。
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補足情報

*梅津:桂川が大きく蛇行し、対岸に松尾山を望む位置にある。平安時代以来、貴族の別荘地、あるいは丹波方面から桂川を通じて、京都に運ばれる木材の陸揚地として発展した。
*名神大社(みょうじんたいしゃ):天変地異など国家的な災難を祓うために祈願する「名神祭」が行われた神社。古代における社格の一つで、最も格式の高いものとされた。
*橘嘉智子:786~850年。嵯峨天皇の皇后。才色兼備として知られ、日本最初の禅宗寺院・檀林寺を建立したため、檀林皇后と呼ばれる。
関連リンク 梅宮大社(WEBサイト)
参考文献 梅宮大社(WEBサイト)

2025年05月現在

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