京都の湯豆腐
京の名物料理として知られる湯豆腐。良質の地下水に恵まれた京都では、昔から評判のよい豆腐が作られてきた。その豆腐本来のおいしさを味わえるのが湯豆腐である。
豆腐の製法は平安時代に中国から遣唐使が持ち帰ったとも、鎌倉時代に禅宗とともに伝来したともいわれる。肉食を禁じる寺院の精進料理*として広まった食べ物であるが、庶民に親しまれるのは江戸時代になってから。1782(天明2)年には「豆腐百珍(ひゃくちん)」*が出され、ベストセラーになった。
湯豆腐は、一般的には南禅寺の精進料理に始まり、その門前の茶店で人々に提供したのが最初という。お膝元の東山の南禅寺や嵯峨の天龍寺付近には多くの湯豆腐の専門店が味を競っている。
豆腐の製法は平安時代に中国から遣唐使が持ち帰ったとも、鎌倉時代に禅宗とともに伝来したともいわれる。肉食を禁じる寺院の精進料理*として広まった食べ物であるが、庶民に親しまれるのは江戸時代になってから。1782(天明2)年には「豆腐百珍(ひゃくちん)」*が出され、ベストセラーになった。
湯豆腐は、一般的には南禅寺の精進料理に始まり、その門前の茶店で人々に提供したのが最初という。お膝元の東山の南禅寺や嵯峨の天龍寺付近には多くの湯豆腐の専門店が味を競っている。

みどころ
湯豆腐の味を決めるのは、豆腐*とだしの昆布と水。京都には江戸時代から続く豆腐屋が何軒もある。川端康成の「古都」*などで有名になった「嵯峨豆腐 森嘉(もりか)」や、1829(文政12)年創業でいまも薪で大豆を炊くという府庁近くの「入山豆腐店」など、味も歴史もさすがに京都。動物性の材料を避ける精進料理がルーツなので、だしは昆布が基本だが、カツオなどを使うこともある。豆腐は熱し過ぎるとその水分が減り、豆腐に含まれるタンパク質も硬くなり、いわゆる「す」が立ってまずくなる。鍋底に昆布を敷くと熱の伝わり方が穏やかになるメリットもあるという。土鍋が望ましいのも熱の伝わり方を抑えるため。
京都の豊富な地下水はミネラルの少ない軟水なので、豆腐を作る時に硬くなりにくく、煮ても軟らかい。また、豆腐の重さの80~90%は水分なので、豆腐の味に水質は大きく影響している。
湯豆腐の名店としては、南禅寺周辺では順正(じゅんせい)など、嵐山の天龍寺塔頭である妙智院の店「西山艸堂(せいざんそうどう)」あたりがよく知られる。
京都の豊富な地下水はミネラルの少ない軟水なので、豆腐を作る時に硬くなりにくく、煮ても軟らかい。また、豆腐の重さの80~90%は水分なので、豆腐の味に水質は大きく影響している。
湯豆腐の名店としては、南禅寺周辺では順正(じゅんせい)など、嵐山の天龍寺塔頭である妙智院の店「西山艸堂(せいざんそうどう)」あたりがよく知られる。

補足情報
*精進料理:タンパク質が少ない精進料理では、植物製タンパクが豊富な豆腐は重宝され、さまざまな料理法が工夫された。
*豆腐百珍:豆腐料理100種を載せた料理本。版元は大坂。尋常品、通品、佳品、奇品、妙品、絶品の6段階で紹介し、続篇も出る人気であった。尋常品の6番目に「高津(こうづ)湯とうふ」の名がある。しかし、湯を沸かして豆腐を温めるが、水気を切って葛餡をかけて、練りがらしで食べるとされ、現在の湯豆腐とは異なる。これは江戸時代以来の東京根岸の老舗「笹乃雪」の名物あんかけ豆腐と同種のものらしい。
*豆腐:「京豆腐」といわれるのは、「京都で生産され、国産大豆100%、豆乳濃度13Brix(糖度)以上のもの」をいう。木綿豆腐より軟らかく、なめらかな舌触りで、地元では「白豆腐」と呼ばれる。
*古都:主人公の千重子が父を訪ね、「お父さん、森嘉の湯豆腐をおあがりやすか。買うて来ました。」という場面がある。
*豆腐百珍:豆腐料理100種を載せた料理本。版元は大坂。尋常品、通品、佳品、奇品、妙品、絶品の6段階で紹介し、続篇も出る人気であった。尋常品の6番目に「高津(こうづ)湯とうふ」の名がある。しかし、湯を沸かして豆腐を温めるが、水気を切って葛餡をかけて、練りがらしで食べるとされ、現在の湯豆腐とは異なる。これは江戸時代以来の東京根岸の老舗「笹乃雪」の名物あんかけ豆腐と同種のものらしい。
*豆腐:「京豆腐」といわれるのは、「京都で生産され、国産大豆100%、豆乳濃度13Brix(糖度)以上のもの」をいう。木綿豆腐より軟らかく、なめらかな舌触りで、地元では「白豆腐」と呼ばれる。
*古都:主人公の千重子が父を訪ね、「お父さん、森嘉の湯豆腐をおあがりやすか。買うて来ました。」という場面がある。
関連リンク | 京都市観光協会 京都観光Navi(WEBサイト) |
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参考文献 | 京都市観光協会 京都観光Navi(WEBサイト) |
2025年05月現在
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