泉涌寺
JR東福寺駅、京阪電鉄東福寺駅から徒歩20分。月輪山(つきのわやま)の麓にあり、皇室の菩提寺として御寺(みてら)とも呼ばれ、尊崇されている。草創の時期や事情は明らかでないが、空海が、天長年間(824~834)にここに草庵を立てて法輪寺としたのが寺の起こりともいわれる。1218(建保6)年に俊芿(しゅんじょう)律師(月輪〈がちりん〉大師)が大伽藍を造営して再興、そのときに泉が涌き出たので、泉涌寺に改称したと伝える。
俊芿は皇族や貴族に篤く信頼され、1224(元仁元)年に後堀河天皇の勅願寺となった。1242(仁治3)年に四条天皇が12歳で崩御すると当寺で葬儀が営まれ、山内に御陵が造営された。以降、泉涌寺と皇室との関係はより深まり、南北朝時代の1374(文中3)年の後光厳院から9代の天皇の火葬所とされた。さらに、後水尾天皇から孝明天皇まで江戸時代のすべての天皇・皇妃の御陵がここに営まれ、月輪陵、後月輪陵などが築かれた。明治時代に陵墓は寺から分離され、宮内庁管理となったが、泉涌寺は皇室の菩提寺「御寺」として尊崇され続けている。
創建以来、伽藍は壮麗を極めたが、応仁・文明の乱で焼失。のちに再興が進み、江戸時代に入って後水尾上皇のとき、徳川家綱の寄進で仏殿などが再建され、ほぼ現在の形に復興した。この頃、塔頭も多く創建、再興され、現在は来迎院、雲龍院、観音寺、戒光寺、即成院、善能寺、悲田院、法音院、新善光寺がある。
俊芿は皇族や貴族に篤く信頼され、1224(元仁元)年に後堀河天皇の勅願寺となった。1242(仁治3)年に四条天皇が12歳で崩御すると当寺で葬儀が営まれ、山内に御陵が造営された。以降、泉涌寺と皇室との関係はより深まり、南北朝時代の1374(文中3)年の後光厳院から9代の天皇の火葬所とされた。さらに、後水尾天皇から孝明天皇まで江戸時代のすべての天皇・皇妃の御陵がここに営まれ、月輪陵、後月輪陵などが築かれた。明治時代に陵墓は寺から分離され、宮内庁管理となったが、泉涌寺は皇室の菩提寺「御寺」として尊崇され続けている。
創建以来、伽藍は壮麗を極めたが、応仁・文明の乱で焼失。のちに再興が進み、江戸時代に入って後水尾上皇のとき、徳川家綱の寄進で仏殿などが再建され、ほぼ現在の形に復興した。この頃、塔頭も多く創建、再興され、現在は来迎院、雲龍院、観音寺、戒光寺、即成院、善能寺、悲田院、法音院、新善光寺がある。

みどころ
東大路通から緩やかな坂道を進んで総門をくぐり、坂を上り切ったところに堂々たる大門(重要文化財)が立つ。入って左手にある楊貴妃観音堂には、優美な顔立ちの楊貴妃観音像*(重要文化財)が祀られている。正面の「降り参道」を下って行くと、正面に仏殿*(重要文化財)が立つ。典型的な禅宗様式の建物で、内部には阿弥陀・釈迦・弥勒の三尊仏を安置する。仏殿の南西に立つ水屋形の中には、寺名の由来の清水が今も湧いている。
仏殿の背後には舎利殿*があり、さらに歴代天皇の御尊碑をお祀りする霊明殿*がある。霊明殿の奥には、月輪陵・後月輪陵がある。霊明殿に隣接する御座所*は、明治天皇によって京都御所の皇后宮の御里御殿が移築されたもの。歴代天皇の念持仏を祀る海会堂も京都御所の御黒戸(仏間)を明治に移したものという。
仏殿の背後には舎利殿*があり、さらに歴代天皇の御尊碑をお祀りする霊明殿*がある。霊明殿の奥には、月輪陵・後月輪陵がある。霊明殿に隣接する御座所*は、明治天皇によって京都御所の皇后宮の御里御殿が移築されたもの。歴代天皇の念持仏を祀る海会堂も京都御所の御黒戸(仏間)を明治に移したものという。

補足情報
*楊貴妃観音像:俊芿の弟子の湛海が1255(建長7)年、宋より請来した観音像。唐の皇帝玄宗が楊貴妃の冥福を祈るため、その容貌に似せて造らせたものと伝える。香木の寄木造で等身大の坐像。保存状態がよく、多色を施した色彩は豊かで、優美な顔立ちである。
*仏殿:重層、入母屋造、本瓦葺で、1668(寛文8)年の再建。天井中央の龍の図と、三尊背後の白衣観音画図は狩野探幽作。また堂内には、大涅槃図が収蔵されている。1717(享保2)年、明誉古礀(こかん)の作。幅8m、長さ16mの大きなもので、涅槃会のときに天井から掛けられ、一般公開される。
*舎利殿:釈迦の舎利仏を安置している。天井の龍の図は狩野山雪作。
*霊明殿:四条天皇をはじめ歴代の天皇、皇后、親王の尊牌を奉安している。
*御座所:月輪陵参拝の際、天皇と皇妃の休憩所とされた建物。内部の障壁画は宇喜多一蕙作のものが多く、庭園・建築とともにみごたえがある。
*仏殿:重層、入母屋造、本瓦葺で、1668(寛文8)年の再建。天井中央の龍の図と、三尊背後の白衣観音画図は狩野探幽作。また堂内には、大涅槃図が収蔵されている。1717(享保2)年、明誉古礀(こかん)の作。幅8m、長さ16mの大きなもので、涅槃会のときに天井から掛けられ、一般公開される。
*舎利殿:釈迦の舎利仏を安置している。天井の龍の図は狩野山雪作。
*霊明殿:四条天皇をはじめ歴代の天皇、皇后、親王の尊牌を奉安している。
*御座所:月輪陵参拝の際、天皇と皇妃の休憩所とされた建物。内部の障壁画は宇喜多一蕙作のものが多く、庭園・建築とともにみごたえがある。
関連リンク | 泉涌寺(WEBサイト) |
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参考文献 |
泉涌寺(WEBサイト) 「京都府の歴史散歩 中」山川出版社 |
2025年05月現在
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