鬼ヶ城おにがじょう

JR熊野市駅から「大又大久保行」バスで約5分。国の名勝および天然記念物「熊野の鬼ケ城 附 獅子巖」(くまののおにがじょう つけたり ししいわ)の一部である。熊野灘の波の浸食によって生じた大小無数の海食洞が、地震による隆起と風化によって並び、熊野灘に面して約1.2km続いている。志摩半島から続くリアス海岸の最南端で、これより南は約25km続くなだらかな砂浜の海岸(七里御浜)へと変わる。山頂には、戦国時代の城跡があり、熊野古道・松本峠と連結するハイキングコースが整備されており、鬼の見晴台といわれる展望台からは、熊野灘が一望できる。
 1935年(昭和10年)に国の天然記念物に指定された後、1958年(昭和33年)に獅子巌が追加指定され、名勝および天然記念物「熊野の鬼ケ城 附 獅子巖」となった。ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』(2004年7月登録)の一部として登録されている。
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みどころ

自然資源でありながら、坂上田村麻呂が桓武天皇の命を受けて、鬼と恐れられこの地を荒らし廻っていた海賊・多娥丸(たがまる)を征伐したという伝説がある。また室町時代(1523年頃)に有馬忠親が隠居城として山頂に築城した鬼ケ城本城があり、有馬氏が堀内氏によって滅ぼされたあと、堀内氏は豊臣秀吉に仕え、関ヶ原の戦いまで当地を治めたという歴史資源でもある。
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補足情報

2013年(平成25年8月1日)、東の玄関口に「鬼ヶ城センター」がオープンした。地元熊野の素材を活用した食事場所や周辺の観光情報の提供、そして特産品を取り揃えた施設となっている。