石川県立歴史博物館いしかわけんりつれきしはくぶつかん

兼六園に隣接する、本多の森公園*(金沢市出羽町)内に残る赤レンガの建物を活用した県立の歴史博物館。もともと旧陸軍の兵器庫として明治40年代から大正初期に建てられた3棟が、第2次大戦後、金沢市立美術工芸大学(当時は、前身の金沢美術専門学校)の校舎として使用されたもの。1986(昭和61)年、石川県立郷土資料館(金沢市広坂)が本多の森公園に移転し、石川県立歴史博物館として開館した。2013(平成25)年3月から大規模な改修工事が行われ、北陸新幹線開業後、2015(平成27)年4月、敷地内に併立する加賀本多博物館とともにリニューアルオープンした*。本多の森公園の緑に囲まれ、多くの文化施設(国立工芸館・県立美術館・県立能楽堂・いしかわ生活工芸ミュージアムなど)に隣接している。1991(平成3)年、韓国国立全州博物館と姉妹館協約を締結し、館内に日韓文化交流の紹介コーナーも設けられている。
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みどころ

博物館として再活用するにあたり、外観は創建当時の姿を忠実に復元し、内装は建物の文化財としての価値と展示設備との調和をはかりながら改築した。陸軍師団の兵器庫がほぼ完全な形で残っているのは、金沢と善通寺の2か所だけとされる。レンガ造3棟のうち、1、鉄筋コンクリート造・2、鉄骨補強造・3、木造のまま修復と、工法を変えた保存・修復方法が歴史的建造物の保存モデルとなっている。館内は無料のガイダンスエリア、常設展示室と企画展示室などからなり、常設展示では石川県の考古・歴史・民俗資料をジオラマ模型やビデオで立体的に分かりやすく展示している。また、ミュージアムショップも充実している。
 なお、博物館のある本多の森公園は、散多くの文化施設が集積しているとともに常緑広葉樹林が多く、歩道が整備され金沢市民の憩いの場として親しまれている。
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補足情報

*本多の森公園:1978(昭和53)年に開設された石川県営の都市公園。敷地面積は5.9ha。もともと加賀藩の筆頭家老本多家などの武家屋敷が置かれていた。
*併設する加賀本多博物館とともに「いしかわ赤レンガミュージアム」の愛称で親しまれる。    
*1991(平成3)年、日本建築学会賞を受賞した。                  
*1998(平成10)年、公共建築100選の一つに選ばれた。
関連リンク 石川県立歴史博物館(WEBサイト)
参考文献 石川県立歴史博物館(WEBサイト)
ほっと石川旅ねっと(公益社団法人石川県観光連盟)(WEBサイト)

2023年08月現在

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