アーティゾン美術館あーてぃぞんびじゅつかん

東京駅から徒歩5分、京橋にあるミュージアムタワー京橋の1~6階にある。ブリヂストンの創業者である石橋正二郎*が収集した美術品を展示するため、1952(昭和27)年に開館したブリヂストン美術館が前身である。ブリヂストン本社ビルがミュージアムタワー京橋として建て替えられた際に、アーティゾン美術館*に改称されて2020(令和2)年開館した。展示室(4階~6階)の総面積は旧美術館の2倍にあたる2,052m2となり、ゆったりとしたエントランスロビー、各階にある休憩スペース等を含めて延床面積は 6,715m2となっている。
 公益財団法人石橋財団が運営しており、コレクション約3,000点を所蔵している。コレクションの中核を成すのは、19世紀後半の印象派・後期印象派から20世紀前半に至る洋画のムーブメントを築いた画家達と、相前後して日本の近代洋画を立ち上げた画家達の絵画、及び彫刻などで、この時代の著名な画家のほとんどの作品を網羅している。
 コレクションは現在も拡大されており、古代美術、日本の近世美術、戦後の抽象画、現代美術にまで広がっている。
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みどころ

印象派から始まった近代絵画の流れを、誰でも一度は耳にしたことのある著名な画家の作品をもとに感じることが出来る。また、近代日本洋画では、交流のあった坂本繁二郎や藤島武二の作品、そして重要文化財に指定されている青木繁「海の幸」「わだつみのいろこの宮」、藤島武二「黒扇」「天平の面影」を鑑賞することができる。
鑑賞できる主な画家は以下のとおりである。
・日本の近代画家(坂本繁二郎、藤島武二、青木繁、藤田嗣治、浅井忠、黒田清輝など)
・印象派(モネ、マネ、ルノワールなど)から後期印象派(シスレー、セザンヌ、ゴーガン、ゴッホなど)
・エコール・ド・パリからフォーヴィスム、キュビスムの画家達(マティス、ピカソ、ルオー、ユトリロ、モディリアーニ、クレー)
また、近代絵画の他に、福岡藩主であった黒田家から譲り受けた中国・日本の古美術がある。これらの豊富なコレクションをもとに、様々な切り口で組み合わせた企画展が行われている。
 アクセスがよく、東京駅から徒歩で行けるため、気軽に何回も足を運び毎回楽しませてくれる美術館である。
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補足情報

*石橋正二郎(1889~1976年):久留米出身の実業家で(株)ブリヂストンの創業者。同社は足袋製造から始まりゴム靴製造を経て、戦後は自動車タイヤ製造で成長した。昭和初期から日本の近代絵画の蒐集を始め、第二次大戦後に西洋美術の蒐集に乗り出した。1952(昭和27)年にブリヂストン美術館を開館、1969(昭和44)年に東京国立近代美術館を新築寄贈するなど、日本の美術振興に多大な貢献を果たした。現在、蒐集した美術品は1956(昭和31)年に設立された公益財団法人石橋財団が管理、運営を行っている。
*「ARTIZON」(アーティゾン)は、「ART」(アート)と「HORIZON」(ホライゾン:地平)を組み合わせた造語。時代を切り拓くアートの地平を感じて欲しいとの意味で名付けられた。
関連リンク アーティゾン美術館(公益財団法人石橋財団)(WEBサイト)
参考文献 アーティゾン美術館(公益財団法人石橋財団)(WEBサイト)
「東京のミュージアム100」芸術新潮編集部編 新潮社
「全国博物館総覧」日本博物館協会編 ぎょうせい

2025年06月現在

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