東京国立近代美術館
独立行政法人国立美術館が運営する美術館で、東京メトロ竹橋駅から徒歩3分の北の丸公園内にある*。日本の国立美術館は、1952(昭和27)年に中央区京橋に開館しているが、その後の収蔵品の増加を受けて、1963(昭和38)年に京都分館(京都国立近代美術館)が開館し、1969(昭和44)年に東京国立近代美術館が現在地に移転開館した。建物は建築家、谷口吉郎による設計で、ブリヂストン創業者の石橋正二郎が寄贈したものである。2001(平成13)年に耐震補強を含む増改築により1万4,439m2の中規模の美術館となっている。
東京国立近代美術館は、その名称のとおり19世紀(明治時代後半)から現代までの美術作品(絵画・彫刻・水彩画・素描・版画・写真など)を本格的に蒐集した初めての美術館である。その収蔵品は2023(令和5)年度時点で、日本画865点、油彩その他1,315点、版画3,103点、水彩・素描4,148点、写真3,043点、彫刻(立体造形)490点、その他資料等含む約1万4,000点。そのうち重要文化財*が18件(寄託作品含む)を占める日本有数のコレクションを誇る。
東京国立近代美術館は、その名称のとおり19世紀(明治時代後半)から現代までの美術作品(絵画・彫刻・水彩画・素描・版画・写真など)を本格的に蒐集した初めての美術館である。その収蔵品は2023(令和5)年度時点で、日本画865点、油彩その他1,315点、版画3,103点、水彩・素描4,148点、写真3,043点、彫刻(立体造形)490点、その他資料等含む約1万4,000点。そのうち重要文化財*が18件(寄託作品含む)を占める日本有数のコレクションを誇る。

みどころ
膨大な所蔵品を年に5回程度、入れ替えを行いつつ展示する所蔵作品展「MOMATコレクション」が見応えのある展覧会である。その展示内容は、19世紀末から現代に至る日本の近・現代美術の流れを海外作品も交えて紹介するというもの。展示作品数は常時200点以上。また、このコレクション展には、現在は金沢にある国立工芸館収蔵の工芸品が展示されることもある。主な収蔵作品は、日本画家では横山大観、菱田春草、川合玉堂、上村松園等、洋画家では岸田劉生、萬鉄五郎等の20世紀前半に活躍した画家を中心に、同時期の海外作品でもあるポスト印象派からフォービスム、キュビスムに至る作品が加わっている。また、これらの評価の定まった近代作品ばかりに注目が行ってしまうが、20世紀中盤からの抽象美術、前衛芸術、あるいはジャンクアートもその一部とされる現代美術作品も充実している。村山知義から岡本太郎、河原温、そして草間彌生、田中敦子等の作品鑑賞を通じて、現代に至る日本美術の流れを理解できる。
これらの展示作品群もさることながら、ゆとりある鑑賞空間も魅力であり、館内の休憩スペースや展示室の休憩場所などが充実している。また、美術館のホームページでは、現在展示されている作品リストを予め確認することができる。加えて、作品解説アプリが丁寧でわかりやすい説明となっているのが有り難い。
鑑賞後の休憩には4階ラウンジ「眺めのよい部屋」がある他、2階にはレストラン、美術図書館があり、前庭周辺にはイサム・ノグチ等の彫刻の屋外展示がある。さらに北の丸公園を散策すると、1910(明治43)年に建設された大日本帝国陸軍の旧近衛師団司令部庁舎(重要文化財)を見ることができる。現在は前庭からの外観の観覧のみが可能。
これらの展示作品群もさることながら、ゆとりある鑑賞空間も魅力であり、館内の休憩スペースや展示室の休憩場所などが充実している。また、美術館のホームページでは、現在展示されている作品リストを予め確認することができる。加えて、作品解説アプリが丁寧でわかりやすい説明となっているのが有り難い。
鑑賞後の休憩には4階ラウンジ「眺めのよい部屋」がある他、2階にはレストラン、美術図書館があり、前庭周辺にはイサム・ノグチ等の彫刻の屋外展示がある。さらに北の丸公園を散策すると、1910(明治43)年に建設された大日本帝国陸軍の旧近衛師団司令部庁舎(重要文化財)を見ることができる。現在は前庭からの外観の観覧のみが可能。

補足情報
*別途、石川県金沢市に国立工芸館がある。また独立行政法人国立美術館が運営する他の美術館として、京都国立近代美術館、国立新美術館(東京、六本木)、国立映画アーカイブ(東京、京橋)、国立西洋美術館(東京、上野)、国立国際美術館(大阪、中之島)がある。
*収蔵(寄託含む)されている「重要文化財」は以下の通り。
・日本画
菱田春草「賢首菩薩」(1907)、「王昭君」(1902)、川合玉堂「行く春」(1916)、土田麦僊「湯女」(1918)、村上華岳「日高河清姫図」(1919)、横山大観「生々流転」(1923)、鏑木清方「築地明石町」(1927)、「新富町」(1930)、「浜町河岸」(1930)、「三遊亭円朝像」(1930)、上村松園「母子」(1934)、安田靫彦「黄瀬川陣」(1940・1941)
・洋画
原田直次郎「騎龍観音」(1890)寄託(護国寺蔵)、和田三造「南風」(1907)、萬鉄五郎「裸体美人」(1912)、岸田劉生「道路と土手と塀(切通之写生)」(1915)、中村彝「エロシェンコ氏の像」(1920)
・彫刻
新海竹太郎「ゆあみ」(1907)
*収蔵(寄託含む)されている「重要文化財」は以下の通り。
・日本画
菱田春草「賢首菩薩」(1907)、「王昭君」(1902)、川合玉堂「行く春」(1916)、土田麦僊「湯女」(1918)、村上華岳「日高河清姫図」(1919)、横山大観「生々流転」(1923)、鏑木清方「築地明石町」(1927)、「新富町」(1930)、「浜町河岸」(1930)、「三遊亭円朝像」(1930)、上村松園「母子」(1934)、安田靫彦「黄瀬川陣」(1940・1941)
・洋画
原田直次郎「騎龍観音」(1890)寄託(護国寺蔵)、和田三造「南風」(1907)、萬鉄五郎「裸体美人」(1912)、岸田劉生「道路と土手と塀(切通之写生)」(1915)、中村彝「エロシェンコ氏の像」(1920)
・彫刻
新海竹太郎「ゆあみ」(1907)
関連リンク | 独立行政法人国立美術館(WEBサイト) |
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参考文献 |
独立行政法人国立美術館(WEBサイト) Sakakura Associates 坂倉建築研究所(WEBサイト) 「東京のミュージアム100」芸術新潮編集部編 新潮社 「日経五つ星の美術館」日本経済新聞社 「重要文化財の秘密」国立近代美術館70周年記念誌 2023 |
2025年06月現在
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