明治神宮
渋谷区のほぼ中央、JR山手線の西側にひろがる広大な緑の神域につつまれた都内有数の社。毎年の初詣ランキングでは、つねにトップクラスにあり、人気が高い。彦根藩主井伊家の下屋敷があったこの地は、1874(明治7)年に宮内省に買い上げられて南豊島御料地ととなり、井伊家の屋敷を改造縮小して南豊島御用邸あるいは代々木御用邸とされた。明治天皇が崩御され、天皇の陵墓を帝都東京にという声があったが、在位中に京都にとのご意向が示されていたため、東京には「神宮」を造営し、御神霊を祀ることになった。候補地の中から、明治天皇が皇后のために整備された御苑もあった現在地が選ばれた。
1915(大正4)年、明治天皇と昭憲(しょうけん)皇太后を祭るために国費で社殿の造営に着手、1920(大正9)年に完成した。建築を監督したのは伊東忠太*。本殿は新しい様式を取り入れた流(ながれ)造で、簡素な中にも気品をたたえた建築である。檜皮葺の屋根が大きく左右に広がり美しい。宝物殿*は公開設計競技を行ったが、実際の設計は競技で当選した案ではなく、日光東照宮の修復などにも携わった大江新太郎が行った。苑内には名木代々木*や昭憲皇太后のために造られた旧御苑、加藤清正が掘ったという清正の井*、菖蒲田*などがある。
1945(昭和20)年4月の空襲で本殿および主要な建造物は焼失したが、1958(昭和33)年に明治神宮復興奉賛会によって再建された。社殿のある内苑は樹木がうっそうと生い茂って森林をなしており、その中を社殿への表参道、北参道・西参道が通じている。面積約70万m2の人造林で、樹種234種、天然下種による実生の木を加えて約3万6,000本の多種異齢針広混交林である。造林にあたっては、本多静六*のもと、上層林にはマツ、スギ、ヒノキの針葉樹、中層にクス、シイ、カシ類の常緑広葉樹、下層にモチ、サカキ、モクセイ、モッコクの類を配した。中層林が高層林になっていき、森林が成長した。
1915(大正4)年、明治天皇と昭憲(しょうけん)皇太后を祭るために国費で社殿の造営に着手、1920(大正9)年に完成した。建築を監督したのは伊東忠太*。本殿は新しい様式を取り入れた流(ながれ)造で、簡素な中にも気品をたたえた建築である。檜皮葺の屋根が大きく左右に広がり美しい。宝物殿*は公開設計競技を行ったが、実際の設計は競技で当選した案ではなく、日光東照宮の修復などにも携わった大江新太郎が行った。苑内には名木代々木*や昭憲皇太后のために造られた旧御苑、加藤清正が掘ったという清正の井*、菖蒲田*などがある。
1945(昭和20)年4月の空襲で本殿および主要な建造物は焼失したが、1958(昭和33)年に明治神宮復興奉賛会によって再建された。社殿のある内苑は樹木がうっそうと生い茂って森林をなしており、その中を社殿への表参道、北参道・西参道が通じている。面積約70万m2の人造林で、樹種234種、天然下種による実生の木を加えて約3万6,000本の多種異齢針広混交林である。造林にあたっては、本多静六*のもと、上層林にはマツ、スギ、ヒノキの針葉樹、中層にクス、シイ、カシ類の常緑広葉樹、下層にモチ、サカキ、モクセイ、モッコクの類を配した。中層林が高層林になっていき、森林が成長した。

みどころ
神宮ではおみくじのことを、おおみこころという。凶や吉はなく、明治天皇・昭憲皇太后の御歌が記されている。
明治神宮の参拝者の多くは原宿駅から入り、おなじ参拝路をもどる。なんども明治神宮に訪れる人は、入り口・出口を北参道や西参道にしてたどってみると、異なる雰囲気を味わうことが出来るのでおすすめしたい。
明治神宮の参拝者の多くは原宿駅から入り、おなじ参拝路をもどる。なんども明治神宮に訪れる人は、入り口・出口を北参道や西参道にしてたどってみると、異なる雰囲気を味わうことが出来るのでおすすめしたい。

補足情報
*伊東忠太:明治から昭和初期の建築家。建築史が専門。明治神宮のほか、築地本願寺を建築。法隆寺の柱の膨らみを、ギリシャ建築のエンタシスと関連づける論文を発表した。
*宝物殿:2011(平成23)年に国の重要文化財に指定された。現在は期間限定で公開を行っている。
*名木代々木:代々木の地名の由来となったモミの木。初代は枯れ、現在の木は2代木である。
*清正井:台地の縁に湧く清正の井。ここを水源に菖蒲田が広がる。一帯は江戸時代初期に熊本城主加藤家の屋敷があった場所で、井戸にその名が残る。若い人たちの間ではパワースポットとして人気がある。
*菖蒲田:150余種の花菖蒲があり、6月の花期には色とりどりの花が咲き競う。
*本多静六:日本最初の林学博士。埼玉県生まれ。ドイツ留学後、東大教授。林学の基礎をつくり、その普及に努力。大日本山林会会長。「公園の父」といわれる。
*宝物殿:2011(平成23)年に国の重要文化財に指定された。現在は期間限定で公開を行っている。
*名木代々木:代々木の地名の由来となったモミの木。初代は枯れ、現在の木は2代木である。
*清正井:台地の縁に湧く清正の井。ここを水源に菖蒲田が広がる。一帯は江戸時代初期に熊本城主加藤家の屋敷があった場所で、井戸にその名が残る。若い人たちの間ではパワースポットとして人気がある。
*菖蒲田:150余種の花菖蒲があり、6月の花期には色とりどりの花が咲き競う。
*本多静六:日本最初の林学博士。埼玉県生まれ。ドイツ留学後、東大教授。林学の基礎をつくり、その普及に努力。大日本山林会会長。「公園の父」といわれる。
関連リンク | 明治神宮(WEBサイト) |
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参考文献 | 明治神宮(WEBサイト) |
2025年06月現在
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