富弘美術館とみひろびじゅつかん

星野富弘の故郷みどり市東町草木湖畔に1991(平成3)年に開館した市立の美術館。その後老朽化し、2005(平成17)年、新しい富弘美術館が開館した。旧館は解体され、跡地には前庭や草木湖へつながる散策路が整備された。新しい美術館は58回日本建築学会賞の作品賞を受賞した。
 星野富弘は1946(昭和21)年生まれ。1970(昭和45)年、群馬大学卒業後に中学教諭となり、クラブ活動の指導中頸髄を損傷、手足の自由を失う*。群馬大学病院入院中、口に筆をくわえて文字や絵を描き始める。その後数々の作品を生み出し、現在も詩画やエッセイの創作活動を継続中。
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みどころ

透明感あふれる水彩画で描かれた草花や故郷の風景と、かざりのない平易な言葉、素朴で美しい言葉から、「生きることのすばらしさ」、「生きる勇気」を与えられる。
 美術館の周辺は、東町を模した前庭と草木湖の湖面を同時に楽しめるように遊歩道、散策道、展望エリアなどが整備されており、豊かな空間の中で楽しむことができる。美術館内の展示スペースは円と円のつながりで構成されている。富弘作品は比較的小さなサイズに限られているため、角のない壁面が作品を包み込むように存在して、作品との相乗効果を上げている。(林 清)
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補足情報

*事故という一瞬の出来事から、絶望の淵に突き落とされ、つらい闘病生活を強いられていた日々。この深淵から彼を救い上げたのは、母の献身的な介護であり、覚えていたいくつかの詩人の言葉であり、信仰であったという。そして口に筆をくわえて、文字と絵を描くことであった(富弘美術館「作品鑑賞ガイド」)。
関連リンク 富弘美術館(WEBサイト)
参考文献 富弘美術館(WEBサイト)
パンフレット「富弘美術館」

2020年04月現在

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