大沼・小沼おの・この

赤城山の山頂部、黒檜山、地蔵岳、駒ケ岳などの外輪山に囲まれた標高1,350m付近には、カルデラ湖の大沼と高層湿原*の覚満淵、その南東1,470mに長七郎山の火口湖*の小沼が並んで位置する。大沼と小沼間は1km程度であり、トレッキングや自転車で回ることができる。
 大沼は周囲4km、南岸から東岸には旅館街や土産屋がならび、赤城山の観光拠点となっている。沼の周囲には間近に黒曾山、地蔵岳がそびえており、山の中の湖といった雰囲気を醸し出している。
 覚満淵は大沼の南にある周囲800mの湿原。もとは大沼と一体化した湖で、今でも一部沼がのこり、続いて高層湿原、中間湿原へと変化した湿原の様子が分かる。湿原の向かいにはビジターセンターがある。
 小沼は地蔵岳の南東麓にあり、南方に長七郎山を望む。ほぼ円形の火口湖で、周辺は自然の美しさがよく残されている。一周約30~40分の湖。
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みどころ

なんといっても山頂付近に広がる湖と湿原が織りなす自然景観が珍しくもあり、美しい。さらに、周辺部の山々と組み合わせの登山やトレッキングルートも連続している。大沼では手漕ぎボートやモーターボートなどの水遊び、覚満淵では湿性植物と高山植物を多く見ることができ、小沼では手つかずの自然と静寂さが魅力で様々な景観と楽しみ方が可能である。
 6月にはツツジが咲き乱れ、8月の夏まつりでの花火、10月には紅葉とバードウォツチング、1~3月には氷上のワカサギ釣りやスノーシューが楽しめる。(林 清)
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補足情報

*高層湿原:低温・過湿で塩類の乏しい貧栄養の所にできる湿原。ミズゴケが多く、泥炭化が進んで盛り上がった所ができる。高山や高緯度地方に多い。
*火口湖:噴火口に水をたたえてできた湖。

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