鎌先温泉かまさきおんせん

東北新幹線白石蔵王駅から約8kmにある、むかしながらの湯治場の雰囲気を残す山あいの温泉である。歴史は古く1428(正長元)年、白石の農夫がきこりの作業中に渇を覚え、鎌の先で岩角をうかがったところ湯が湧き出したので、これを鎌先温泉と名づけたと伝えられている。昔からずっと「キズに鎌先」と言われ、奥羽の薬湯として知られていた。最近では交通事故の骨折、打撲の後保養や後遺症に悩む人の湯治が多い。古くから3軒の宿がそれぞれ特色をもって営業している。また、小高い丘のところで1軒の旅館が営業している。
 伝統こけしの名産地として知られる「弥治郎こけし村」へは約1km。こけしの絵付け体験や工房の見学もできる。
 泉質はナトリウム塩化物・硫酸塩泉ほか、泉温は32~49度。
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みどころ

江戸時代、諸国温泉効能鑑では、鎌先温泉は前頭4段目に紹介され、名湯として知られていた。温泉場は、車が入れないほどの狭い道路なので、入り口に駐車場を設置し、3軒の旅館と1軒のカフェが割り振って使用している。車が中に入ってこないので、宿泊者は良い雰囲気の温泉場をのんびりと歩くことができる。
すゞき旅館:古代檜を使ったひのき風呂と各種の石材を使って、石の見本のような石風呂。
最上屋旅館:木造3階建て、秘湯の雰囲気のある旅館。
一條旅館:1428(正長元)年開業の鎌先温泉で最も歴史があり伝統が息づく宿、大正時代の建築。木造3階建て。
みちのく庵:蔵王連峰を望む山間に、静かに佇む純和風の宿。