利尻山りしりざん

利尻島は直径約19km、周囲約60kmのほぼ円形の島であり、島全体が利尻山で構成されているため、まさに海上に浮かぶ山。隣の礼文島が平坦であるのに対し、円錐形の美しい山からなる島と対照的である。
 利尻山は海抜1,721mの火山であるが、活動が早く終わっているため火口跡などは明らかでない。夏期以外は完全に雪と氷の山で、まったく人を寄せつけない。
 鴛泊・沓形の登山口があるが、頂上との標高差が大きく、登りだけで約5時間はかかる。もっともポピュラーなのは鴛泊からのコースだが、特殊な気象条件*なので天気の急変に注意が必要である。
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みどころ

火山島の美しい円錐形の山で海抜0mからそびえ立つ。その形状から利尻富士と呼ばれており、360度美しい姿を見せる。その中でも深田久弥は「鬼脇と仙法志の中間の三日月沼あたりから見た姿が一番先鋭で、それはまるで空を突き刺すような鋭い三角錐である。」と指摘している。
 山麓の森林帯、咲きほこる高山植物、鋭く尖った岩峰、圧倒的な岩壁など山としての魅力満載の山である。また岩壁や岩峰などのバリエーションルート*も数多くある。高山植物の宝庫といわれ、なかには珍しい種類*も見られる。
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補足情報

*特殊な気象条件:山の片側は快晴であっても、反対側はガスで一寸先も見えないとか、片側は無風状態でも反対側は強風が吹き荒れるなど、洋上に浮かぶ孤峰のため、特殊な気象現象がしばしば起こる。
*バリエーションルート:登山で一般のルートとは違う、より困難な登路。整備されていない登山道や、岩登りのルート。
*珍しい高山植物:利尻の名を冠するものだけでも、リシリソウ・リシリシノブ・リシリデンダ・リシリビャクシン・リシリヒナゲシ・リシリオダマキ・リシリリンドウ・リシリミミナグサ・リシリゲンゲ・リシリオウギ・リシリスゲなど約20種類を数えることができる。
関連リンク 利尻島観光ポータルサイト(利尻富士町観光案内所)(WEBサイト)
参考文献 利尻島観光ポータルサイト(利尻富士町観光案内所)(WEBサイト)
環境省北海道地方環境事務所(WEBサイト)
『北海道の山』伊藤 健次 山と渓谷社
『ヤマケイアルペンガイド 北海道の山』 伊藤 健次著 山と渓谷社
『北海道の山と谷』「北海道の山と谷」再刊委員会 北海道撮影社

2024年01月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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