薩摩川内市は、鹿児島県の北西部にあり、北は阿久根市、南はいちき串木野市、鹿児島市に隣接する本土地域と、上甑島、中甑島、下甑島で構成される甑島地域で構成されている。
 JR九州新幹線、JR鹿児島本線、肥薩おれんじ鉄道線が川内駅で交差し、国道3号線、267号線、328号線が通る。川内港臨海地域には九州電力の原子力発電所と火力発電所があり、南九州のエネルギー供給基地となっている。
 中心市街地の川内は古代、薩摩国の国府、国分寺が置かれたところで、早くから川内川の河港として発達してきた。
 農産物では米、ラッキョウ、ゴボウ、茶などの栽培が多い。イチゴやブドウ、ナシ、ブルーベリーの収穫ができる観光農園もある。製紙・窯業・食料品製造・建設業が基幹産業となっている。なお、甑島列島ではサバ、アジ、ブリなどの定置網漁業が盛んなほか、カノコユリ(鹿の子百合)を特産する。
 東シナ海に面した変化に富む白砂青松の海岸線、市街部を流れる一級河川の川内川、ラムサール条約に登録されている藺牟田池(いむたいけ)、風光明媚な長目の浜・トンボロ(陸繁砂洲)などの景勝地を有し、2015(平成27)年3月に国定公園に指定された甑島の上甑島と下甑島には国の天然記念物のヘゴ自生北限地がある。他に類を見ない独特の景観や地形が広がっている。

観光資源一覧

藺牟田池の写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

藺牟田池 (鹿児島県 薩摩川内市 )

飯盛山の噴火でできた火口部に水がたまってできた火山湖で、直径約1km、周囲は約4kmの円形をしている。飯盛山をはじめとする6つの外輪山に囲まれている。最大水深は約3mと火口湖*としては浅い。湖の北西部は泥炭層が堆積し、低層湿原になっている。珍しい浮島*があり、泥炭形成植物群落*として天然記念物の指定を受けている。  湖岸に沿...

入来麓武家屋敷群の写真

入来麓武家屋敷群 (鹿児島県 薩摩川内市 )

鎌倉時代からの領主、入来院(いりきいん)氏が築城した清色(きよしき)城を中心に広がる、山と川に囲まれた武家屋敷集落跡。城のすそ野に家臣の住まいを配置する「麓」*を形成し、集落へと発展した。山、川、田などの環境が一体となり、屋敷の配置や区割り、野石を使った美しい玉石垣や生垣、武家屋敷門(茅葺門)、大手門前の濠や広馬場...

新田神社の写真

写真提供:新田神社

新田神社 (鹿児島県 薩摩川内市 )

薩摩川内市街の北西、うっそうとした老樹が茂る神亀山とよばれる小山の頂にある、日本神話に登場するニニギノミコトを祭る神社。枚聞神社とともに薩摩国の一の宮である。本来、一の宮は一国に一社だが、新田神社は島津氏によって一の宮と認められた。  大鳥居をくぐり、社殿まで行くには一直線に続く322段の石段を上る。御神木のクスをはじ...

薩摩国分寺跡の写真

写真提供:薩摩川内市川内歴史資料館

薩摩国分寺跡 (鹿児島県 薩摩川内市 )

741(天平13)年、聖武天皇の命により、鎮護国家を願って全国に建立された国分寺*の一つ。川内川の右岸の台地にあたり、その敷地は南北約130m、東西約118mと推定され、その区域内に国分寺の建物が立っていたことがほぼ判明している。発掘調査は1968(昭和43)年から始まり、金堂跡、掘立柱の建物跡、講堂基壇跡、塔跡、西金堂跡などの遺構が...

甑島の断崖の写真

甑島の断崖 (鹿児島県 薩摩川内市 )

東シナ海に浮かぶ甑島は、上甑島、中甑島、下甑島の3島が南北に連なっている。下甑島を中心に、島の西岸には断崖や奇岩が続いており、観光船で見学できる。一番古いもので約8000万年前、白亜紀から古代三紀の地層が断崖・奇岩を形成している。断崖の形から、「門口(もんぐち)」「鶴穴」「壁立」「ローソク岩」「鷹の巣」などユニークな名前...

長目の浜の写真

長目の浜 (鹿児島県 薩摩川内市 )

上甑島の景勝地。島の北西部の山すそが風や波によって崩れ落ち、潮風の力でつくられた幅約50m、長さ約4kmの砂州状の弓型の浜。その浜の内側に、なまこ池、貝池、鍬崎池(くわざきいけ)の大小3つの池と、外側に須口池がある。それぞれの池で生態系が異なり、海水と淡水の二層になっているなまこ池にはナマコや魚介類が生息し、貝池はその名の...

きびなご料理の写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

きびなご料理 (鹿児島県 薩摩川内市 / 鹿児島県 阿久根市 / 鹿児島県 出水市 / 鹿児島県 南さつま市 / 鹿児島県 枕崎市 )

キビナゴは鹿児島県の沿岸に広く分布しており、昔から人々の食卓にのぼってきた。鹿児島県は現在、キビナゴを市場に流通させている数少ない地域の一つだ。身がやわらかいので手開きにして、刺身を酢味噌で食べたり、南蛮漬けがポピュラー。