鹿児島県南部に位置する奄美群島は、鹿児島市の南西約370~560kmの範囲に広がる有人8島(大島本島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島外3島)の総称。徳之島は、奄美群島のほぼ中央にあり、徳之島町、天城町、伊仙町の3町で構成されている。
 天城町は、徳之島の北西部に位置し、東は徳之島町、南は伊仙町と接し、北東から東南にかけて一連の山岳によって囲まれている。北から天城岳、三方通岳、美名田山の諸峰が連なり、隣町との境をなしている。
 亜熱帯性気候で、海岸は隆起サンゴ礁が発達している。中心集落は平土野で、役場などの公共施設や、徳之島空港がある。
 中世、琉球王国に属したが、近世初頭の島津氏の侵略以後、薩摩藩の直轄領。藩はサトウキビの栽培を強制し、現在もサトウキビ農業が基幹産業である。このほか、バレイショやサトイモ、マンゴーやビワ、メロン、タンカン等の果樹園芸が盛んに行われている。
 波の侵食による断崖と奇岩の「犬(いん)の門蓋(じょうふた)」や「むしろ瀬」などがある。南東部の三京(みきょう)地区の亜熱帯性樹木が茂る原生林中には、樹木の根が1~2mも地上に板状に突出する板根現象がみられる。特別天然記念物アマミノクロウサギが生息している。闘牛が盛んである。

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徳之島の闘牛の写真

写真提供:天城町

徳之島の闘牛 (鹿児島県 徳之島町 / 鹿児島県 天城町 / 鹿児島県 伊仙町 )

農耕用の牛を使って、農村の娯楽として自然発生的に生まれた闘牛は、以前は年中行事の折などに行われていたという。年に3場所の定期的な全島大会(徳之島全域の牛が出場)と有志による不定期の大会が年間通して開催されている。闘牛を開催している地域は沖縄、宇和島などほかにもあるが、徳之島の闘牛はとくに熱気があることで知られている。