鹿児島南部に位置する奄美群島は、鹿児島市の南西約370~560kmの範囲に広がる有人8島(大島本島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島外3島)の総称。徳之島は、奄美群島のほぼ中央にあり、徳之島町、天城町、伊仙町の3町で構成されている。
 伊仙町は、徳之島の南部に位置し、北は徳之島町、天城町と接する。
 中世、琉球王国に属していたが、近世初頭の島津氏の侵略以後は薩摩藩領。藩は過酷な黒糖専売政策をとり、現在もサトウキビ栽培が基幹産業である。このほかに畜産、園芸(バレイショ、マンゴー)などの生産が盛ん。近年では、ショウガやかぼちゃの栽培も行われている。
 海岸線には珊瑚礁性の磯と海蝕による奇岩が多く見られる。琉球石灰岩の断崖となっている犬田布岬周辺、浅い岩場と砂浜のある喜念浜、北部の犬田布岳などの山林は2017(平成29)年に奄美群島国立公園の一部に指定された。未開発を含めて多くの鍾乳洞がある。
 闘牛が盛んで、年間を通じて徳之島なくさみ館では、闘牛大会が開催されており、ゴールデンウィークや正月などには、闘牛大会を観戦するために多くの来場者が訪れる。

観光資源一覧

徳之島の闘牛の写真

写真提供:天城町

徳之島の闘牛 (鹿児島県 徳之島町 / 鹿児島県 天城町 / 鹿児島県 伊仙町 )

農耕用の牛を使って、農村の娯楽として自然発生的に生まれた闘牛は、以前は年中行事の折などに行われていたという。年に3場所の定期的な全島大会(徳之島全域の牛が出場)と有志による不定期の大会が年間通して開催されている。闘牛を開催している地域は沖縄、宇和島などほかにもあるが、徳之島の闘牛はとくに熱気があることで知られている。