田野町は、県南東部に位置し、南は土佐湾に面する。東は奈半利川を境に奈半利町、北川村、西は安田町と接する。
 奈半利川、その支川の丈々川、池谷川等が流れ、土生岡池をはじめとする溜池が12箇所ある。北半分は四国山地の末端部に位置する標高100~300m前後の山地で、南半分は海岸平野となっている。町域中央部から西部にかけては海岸段丘が発達し、南部や東南部に広がる低地とともに主に農地として利用されている。海岸線の標高8m前後浜堤上と内側の低地部に市街地が形成されている。国道55号、土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)が通じる。
 江戸期には木材集散を背景に田野浦五人衆と呼ばれる豪商が現出し、田野千軒が浦として繁栄。のちに郡奉行所が置かれるなど、安芸郡における政治経済文化の中心地として栄えた。
 海岸段丘にかけてナス、ピーマン、シシトウなどの施設園芸が盛ん。奈半利川上流にはかつては森林軌道が通じていたが製材業は減少傾向にある。
 参勤交代のときの藩主宿泊所である田野浦五人衆の一人米屋(岡家)は書院造の御殿を残す。

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