宿毛市は、四国の最西端、県南西部に位置し、南部は宿毛湾に臨む。高知県唯一の有人離島である沖の島、鵜来島や姫島も市域に含む。土佐清水市、四万十市、大月町、三原村、愛媛県宇和島市、愛南町と接する。
 全般的に山岳・丘陵地帯で構成され、篠山を主峰とした全域の約84%が森林地帯。その間を清流松田川が宿毛湾に向かって流れる。宿毛湾奥を中心に扇形に広がり、河口部を中心に宿毛平野が開け、南部はリアス式海岸をなしている。
 国道56号が愛媛県側へ通じ、足摺岬方面への国道321号を分岐。1997(平成9)年、土佐くろしお鉄道宿毛線が開通。
 中心市街地宿毛は、近世土佐藩家老伊賀氏の小城下町。藩政時代には山内一豊の甥の山内可氏が土佐の国老として宿毛を治めた。1887(明治20)年に林有造によって開かれた片島港は宿毛の西玄関であり、木炭・木材等の積み出し港、また、阪神・九州・土佐沿岸航路の寄港地として発展した。
 古くから漁業が盛ん。現在は養殖業が中心でブリ類、タイ、カンパチなどは県下水揚げ漁の過半数を占める漁獲高となっている。また、まき網漁によるキビナゴも有名。平野部での農業は夏場のオクラ、冬場のブロッコリー等の露地野菜、ミョウガ、小ねぎ等の施設野菜、土佐文旦、小夏などの果樹が主要作物。山地部では林業も行われる。
 宿毛貝塚(国の史跡)、近世初期の松田(宿毛)城跡、松田堰、土佐藩執政野中兼山一門幽閉地や墓地等の史跡、四国霊場札所の延光寺等がある。山奈地区の「浜田の泊屋」は若衆宿で国指定重要有形民俗文化財。中西部の県境にある篠山や沖の島などは足摺宇和海国立公園に含まれ、咸陽島は宿毛県立自然公園の中心地となっている。沖の島、鵜来島は日本有数の磯釣りのメッカとしても有名で、近年は日本屈指の透明度を誇る海でありダイビングスポットとしても注目を集める。

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沖の島の写真

沖の島 (高知県 宿毛市 )

宿毛市片島港の南西約25kmにある離島。片島港から母島港まで約50分。美しい海に囲まれており、島独特の景観をなしている。また、沖の島付近は黒潮本流と豊後水道の海流による潮目ができやすく漁場として秀でている。磯釣りのメッカとして、全国的な知名度も高く、一年を通して全国各地の釣り人(太公望)が訪れる。