安田町は、県東部に位置し、土佐湾に臨む。安芸市、田野町、北川村、馬路村と接する。
 馬路村の稗己屋山に源を発し土佐湾に注ぐ安田川流域に広がり、市街地は河口右岸に位置する。安田川下流部流域に東島、西島、安田、そして東谷川流域に唐浜の小平野が広がっている。約8割が森林。海岸沿いを国道55号が走り、土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)が通じる。
 大和時代から人々の居住が認められ、大化の改新では馬路村を含めた也須田[安田]里(郷)となり、藩政時代には、馬路郷、中山郷、安田郷に分けられた。
 上流部の魚梁瀬杉を生かした製材業、造林業、清らかな伏流水を利用した醸造業などが行われる。安田川下流の平野部では施設園芸が盛んで、ナス、ミョウガ、ピーマン、シシトウの生産が多い他、露地でのオクラ栽培、山腹斜面ではユズ栽培がみられる。近年ではマンゴー等の新興作物の普及促進を図るとともに、これらの地域食材を活かしたスイーツの販路拡大に取り組む。安田漁港は遠洋マグロ漁船の船籍地。
 木像薬師如来坐像(国指定重要文化財)等、藤原期の仏像を所蔵する北寺、四国八十八か所札所の神峰寺等がある。また、日本の山里の原風景も残り、赤い明神口橋は今もその姿を残す他、2017(平成29)年には「森林鉄道から日本一のゆずロードへ-ゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化-」が日本遺産に認定。また、ダムのない清流として知られる安田川は鮎やアメゴ、ウナギ等川魚の宝庫で、その味は全国屈指といわれる。

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