南国市は、県のほぼ中央部に位置する。南は土佐湾に面し、北は笹ヶ峰を起点とする一連の分水嶺を境に本山町に接している。東は物部川を介して香美市、香南市と隣接し、西は高知市に接する。
 北部は四国山地の南端にあり、中部南部は高知平野の東部を占める香長平野と称される地域で、物部川や国分川、新田開発によって作られた舟入川が流れる。北は古期扇状地が長岡台地を形成し、 その南側に沖積層の新期扇状地が形成されており、この新期扇状地には幾つかの自然流が放射状に派流して「自然堤防」「後背湿地」が形成されているのが特徴。また、沿岸部は東西に砂礫洲、砂礫丘が形成されている。
 JR土讃線、土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)、とさでん交通軌道線が通じる。国道は32号、55号、195号が通じ、高知自動車道南国ICがある。高知県唯一の空の玄関である高知空港(愛称、高知龍馬空港)があり、東京、大阪、名古屋、福岡間などに定期便が就航する。
 歴史は古く、田村遺跡群で知られるように弥生時代前期にはすでに集落が形成されていた。平安時代には、当時国衙のあった現在の比江に国司として紀貫之が赴任し、その周辺は「土佐のまほろば」と言われ、近世以前まで政治・文化・経済の中心地として栄えた。
 産業では、超早場米、施設園芸、早掘りサツマイモ、タバコなどを主とする農業が中心。特に土佐湾沿岸砂丘地は第二次世界大戦前から野菜の促成栽培が行われた施設園芸先進地。農村を市場とした農機具工業、土佐刃物製造のほか、稲生地区の石灰製造業が伝統的地場産業。また、南国オフィスパークや流通団地等の企業団地の整備が進む など、新産業拠点として発展を続けている。
 観光では、水田地帯に条里遺構がみられ、国指定史跡の土佐国分寺跡、比江廃寺塔跡や長宗我部元親の本拠地だった岡豊城跡(国指定史跡)、四国八十八か所札所の国分寺、禅師峰寺などがある。

観光資源一覧

(土佐)国分寺の写真

(土佐)国分寺 (高知県 南国市 )

土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)後免(ごめん)駅の北2.5km。高知市内に通じるとさでんバスの最寄りバス停から徒歩20分。  紀貫之*が国司として4年間滞在した国府の地。土佐国分寺は、天平年間(729~749年)に諸国に建てられた国分寺の一つで行基により741(天平13)年創建。本尊は行基作と伝わる千手観音。庭園などに杉苔が...