佐川町は、県のほぼ中央部に位置する、四国山地の支脈に抱かれた盆地の町。土佐市、須崎市、越知町、日高村、津野町と接する。
 河川は仁淀川支流の柳瀬川水系と日下川水系に大別される。四国山脈の支脈に囲まれた標高60~700mの盆地状の地形で、佐川、斗賀野の小盆地が開けるほかは山地や丘陵である。地質構造が複雑で化石も多く、地質学研究のメッカでもある。
 古来、高知城下町から西に向かう主要交通路筋にあたり、現在もJR土讃線や、仁淀川上流から愛媛県松山市方面へ向かう国道33号、須崎市に向う494号が通じる。
 起源は約一万年前で、町内の不動ガ岩屋洞窟遺跡から出土した石器や土器の分析によって歴史が立証されている。江戸時代には土佐藩筆頭家老の深尾氏の城下町として発展する一方、代々の文教重視政策によって文教の町として礎が築かれた。維新の志士で後に宮内大臣となった田中光顕、植物学者牧野富太郎らの出身地としても知られる。
 佐川、斗賀野盆地は良米の産地で、北東部丘陵では茶やナシ、クリの栽培も多い。東部の大平山鉱山を中心に石灰岩採掘も盛ん。中心地である佐川は、近世の土佐藩家老深尾氏の小城下町を継承しており、酒造地としても知られる。
 田中光顕が寄贈した書籍や資料を収蔵する青山文庫がある。この他、大乗院の薬師如来及び両脇侍像は国の重要文化財、不動ガ岩屋洞窟遺跡は国の史跡に指定されている。

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