仁淀川町は、県北西部に位置し、南は津野町、東はいの町、越知町、西は愛媛県久万高原町に接している。
 最北部は石鎚山系に、中・南部は鳥形山系に属する山々に囲まれ、標高およそ100~1,800mの山間地域で、仁淀川が中央を東流する。仁淀川には池川川、長者川、中津川などの支流が流れ込み、太平洋へと注ぎ込む。
 広域的にみると高知市と松山市の中間に位置し、両市を結ぶ仁淀川沿いの国道33号や国道439号が交差する。国道439号からは国道494号が分岐する。
 安居川と土居川の合流点から下流の池川川一帯の池川は、近世には伊予松山城下に通じる松山街道の宿駅で、土佐藩の番所が置かれていた。池川の北西方、愛媛県境に近い椿山はヒノキなど良材の産地で土佐藩の留山だった。焼畑農業が昭和後期まで残ったほか、コウゾ、ミツマタの栽培、和紙の製造が盛んだった。平家集落の伝承もある。
 現在は林業のほかに、県下有数の生産高を誇る茶、コンニャクイモ、トマト、山菜などを産し、木工品の製造も行われている。
 安居渓谷と中津渓谷はそれぞれ県立自然公園に指定され、ともに紅葉の名所として知られる。引割峠の大亀裂は「大引割・小引割」と呼ばれ、国の天然記念物。南西部は四国カルスト県立自然公園に含まれる。仁淀川本流の大渡ダムの周辺は公園として整備されている。池川神楽と名野川磐門神楽(名野川岩戸神楽)は国指定重要無形民俗文化財の「土佐の神楽」の一つ。秋葉神社の「秋葉祭の芸能」は選択無形民俗文化財に指定されている。そのほか「狩山障子紙」「土佐清帳紙」の和紙製造技術が県指定無形文化財となっている。

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