軽井沢町は、長野県中東部、浅間山の山麓にある町。町は標高1,000m内外の浅間火山南東麓を占め、雄大な高原景観を有する。佐久市、御代田町と、群馬県高崎市、安中市、下仁田町、長野原町、嬬恋村に接する。
 JR北陸新幹線軽井沢駅と、しなの鉄道の軽井沢、中軽井沢、信濃追分の4駅がある。道路は、国道18号が通じ、中軽井沢が長野原町方面へと向かう国道146号との分岐点となる。関東からの入口碓氷峠は古代より交通の難所として知られたが、入山峠越えの有料道路碓氷バイパスもある。また、南東の群馬県安中市松井田町域に上信越自動車道の碓氷軽井沢インターチェンジがあり、軽井沢中心部までのアクセス道が改良された。
 町のシンボル的存在である浅間山は、日本を代表する三重式成層活火山で、昭和40年代までは毎年のように噴火活動を繰り返し、鬼押し出しなどの奇勝を生み出してきた。
 東から南にかけては、鼻曲山、留夫山、矢ヶ崎山、八風山などの1,000m級の山々が連なり、これらの山間を碓氷峠や入山峠、和美峠などが結んでいる。西側はなだらかな傾斜が続き、佐久平へと続いている。
 夏の平均気温は25.5℃、厳寒期の2月には零下15℃まで下がる。年間平均気温は9℃前後と避暑地にふさわしい冷涼な気候で、国際的高原避暑地として有名。
 軽井沢町が「避暑地」として多くの著名人に知られるようになったのは、1886(明治19)年にカナダ人宣教師のアレキサンダー・クロフト・ショーの功績が大きい。自然が作り出す美しく豊かな風光に魅せられたショー氏は、2年後の1888(明治21)年には軽井沢の別荘第一号でもある建物で一夏を過ごし、その後、ショー氏の紹介により多くの著名人に知られるようになった。さらには、四季を通じて静養できる日本有数のリゾート地へと変貌を遂げていった。
 町の北側は森林に広く覆われ、浅間山や上信越高原国立公園へと続いており、南側は草原や田園やゴルフ場が多く分布している。町内には別荘、教会、リゾートホテル、レストラン、カフェ、美術館などが点在しており、年間を通じてハイキング、サイクリング、乗馬、ドライブ、ショッピング、ガストロノミー(美食)などを楽しむことができる。夏はゴルフやテニス、冬はスキーやスケートといった屋外レクリエーションに適する。

観光資源一覧

白糸の滝の写真

白糸の滝 (長野県 軽井沢町 )

軽井沢の北部、湯川の源流にかかる。高さ3m、幅70m、黒い岩壁から数百条と思われるほどの水流が、白糸のように落下している滝。この滝の水源は浅間山の伏流水のため、滝の上には川がなく黒い岩肌から水が噴き出している。  軽井沢三笠から峰の茶屋までの有料道路「白糸ハイランドウェイ」*の途中にあり、駐車場から5分程度で到達できる。...

重要文化財・旧三笠ホテルの写真

重要文化財・旧三笠ホテル (長野県 軽井沢町 )

洋式の2階建の建築物で、1905(明治38)年に日本郵船・明治製菓役員の実業家山本直良(やまもとなおよし)が建造、明治期の純西洋式木造ホテルとして、わが国で2番目に古いとされている。  かつては政財界人が集い「軽井沢の鹿鳴館(ろくめいかん)」として賑わい、太平洋戦争中は外務省出張所となった。戦後はアメリカ軍に接収されたが、195...

セゾン現代美術館の写真

写真提供:セゾン現代美術館

セゾン現代美術館 (長野県 軽井沢町 )

軽井沢千ヶ滝温泉の北西部の緑に囲まれた別荘地区の一角にある。敷地面積27,732m2の広い庭の中に、延べ床面積2,078m2、鉄筋2階建の美術館。東京(高輪)にあった高輪美術館が1981(昭和56)年に新築移転したもの。  全国でも数少ない現代美術が主体で、マン・レイのオブジェや、パウル・クレー、マックス・エルンス...

軽井沢教会群の写真

軽井沢教会群 (長野県 軽井沢町 )

英国聖公会の宣教師として派遣されたアレキサンダー・クロフト・ショーが軽井沢に訪れ、夏を過ごしたのがリゾート軽井沢の始まり。その後外国人の避暑地として人気が高まり、多くの外国人が訪れるようになった。そのため様々な教会が作られ、2018(平成30)年度の軽井沢のパンフレットでは20ほどの教会が紹介されている。そのうち軽井沢の主...

軽井沢保養地の写真

軽井沢保養地 (長野県 軽井沢町 )

碓氷峠(うすいとうげ)を越えると、冷気が一瞬のうちに身を包む。夏でも平均最高気温*が26℃程度という軽井沢は浅間山南東斜面のゆるやかな裾野、標高900~1,000mの部分を占め、国際的に名高い高原避暑地である。  英国聖公会の宣教師として派遣されたアレキサンダー・クロフト・ショーが、その高原や気候風土などが避暑地として好適であ...

浅間山の写真

浅間山 (長野県 軽井沢町 / 長野県 御代田町 / 長野県 小諸市 / 群馬県 嬬恋村 / 群馬県 長野原町 )

長野・群馬県境にある日本を代表する活火山で、標高2,568m。白い噴煙を上げる浅間山の雄姿は古来から名高い。成層火山でいくつかの噴火跡の山塊が集中し、その総称を浅間山という。全体はなだらかな女性的な山相で、南・北に広大な裾野が延びて草木や樹木が茂り、標高2,300m以上は裸地となっている。また中腹から山麓にかけてはわが国でも有...