足利市は、栃木県の南西端に位置し、佐野市、群馬県桐生市、太田市、館林市、邑楽町に接する。足尾山地の南麓で、渡良瀬川の北岸に市街地が展開している。JR両毛線、東武鉄道伊勢崎線が走る。また北関東自動車道が通じ、国道50号が東西の交通の要となっている。国道293号が市の東北部へ通じる。
 古代からの交通の要地であり、東山道の宿駅として、足利駅の名は『延喜式』や『続日本紀』にもみられる。中世に源姓足利氏が足利郡、梁田郡に足利荘を領し、足利氏の発祥の地として居館を市内に置いた。近世には、宇都宮藩の支族戸田氏1万1,000石の陣屋が置かれ、機業地として発展した。中世末期以来、絹織物の名産地として知られ、江戸中期には工場制手工業が出現した。現在も繊維工業が盛んで、銘仙、着尺物、帯地類、人絹・人絹交織の広幅物の織物、撚糸、レース、横メリヤスなどを産する。第二次世界大戦を境にして、機械部品、アルミ製品、ゴム製品、織機、合成樹脂などの機械、化学工業の生産が増加している。
 農業では、野菜ではいちご、トマトといった施設園芸作物が多く栽培出荷されている。また、にんじん、大根といった根菜や、花卉ではトルコギキョウをはじめシクラメン、バラ、シンビジューム等が栽培されている。
 観光面では、中世唯一の学校施設の足利学校跡、足利氏の居館跡の鑁阿寺(本堂は国宝)、中世寺院の遺跡である樺崎寺跡は国指定史跡、市中心部の織姫山には花の名所として知られる織姫公園と織姫神社がある。また、栗田美術館は有田焼・鍋島の展示で有名。足利公園内には、画家田崎草雲(1815~1898年)ゆかりの草雲美術館がある。

観光資源一覧

足利学校跡の写真

写真提供:足利市教育委員会事務局

足利学校跡 (栃木県 足利市 )

JR足利駅の北西500mにある。創建については、平安初期の小野篁説や、鎌倉時代初期の足利義兼説がある。歴史が明らかになるのは室町中期以降で、1439(永享11)年に関東管領上杉憲実が鎌倉の禅宗五山のうち円覚寺の僧快元を初代庠主(しょうしゅ)*として学校を整備し、学則を定め学生を養成した。憲実以後もその子憲忠などが学校の基礎を固...

鑁阿寺の写真

鑁阿寺 (栃木県 足利市 )

鑁阿寺は足利學校跡の北側に隣接する。本尊が大日如来であるところから、市民の間では「大日様」とも呼ばれて親しまれている。  1196(建久7)年、足利義兼が鑁阿と号し、その邸内に持仏堂を建てたのが始まりとされる。それ以後、足利家累代の氏寺として栄え、鎌倉時代には堀の外縁部に12の支院を配し、一山十二坊へと発展した。江戸時代に...

あしかがフラワーパークの写真

写真提供:(株)足利フラワーリゾート

あしかがフラワーパーク (栃木県 足利市 )

樹齢160年を超える大藤と四季折々の花が楽しめる「花の楽園」。特に春は600畳敷きの藤棚を持つ大藤や、長さ80mもの白藤のトンネル、きばな藤など350本以上の藤が咲き誇り観るものに感動を与える。「ふじのはな物語~大藤まつり~」が開催される藤の時期には多くの観光客が訪れる。  また、同時期に見頃を迎えるクルメツツジや、5~6月には...

足利織姫神社の写真

写真提供:足利織姫神社奉賛会

足利織姫神社 (栃木県 足利市 )

足利織姫神社は織姫山の中腹にある。参拝するには229段の石段を直登する。足の不自由な方は車 で大きく裏手に回って山頂まで行ける。山名は古くは「機神山(は たがみやま)」・「魚住山(うおずみやま)」などと呼ばれていた。  1879(明治12)年、足利織物業の繁栄を祈って、市内の八雲神社境内から 遷宮された。織物の神八千々姫命と天...

栗田美術館の写真

栗田美術館 (栃木県 足利市 )

故栗田英男(1996(平成8)年没)が、伊万里・鍋島に限定して収集した2,000点あまりにのぼる作品を収蔵する、世界最大級の陶磁器美術館である。約8万m2の敷地内には、陳列館だけでも、本館、歴史館、資料館、陶磁会館など数々の展示館が立ち並ぶ。代表作品として、国の重要文化財の鍋島色絵岩牡丹植木鉢文大皿がある。常時、600点...