栃木市は、栃木県の南部に位置し、小山市、下野市、鹿沼市、佐野市、壬生町、野木町、古河市、加須市、板倉町に接する。JR両毛線と東武鉄道日光線が通じ、新栃木駅から東武鉄道宇都宮線が分岐する。国道50号、293号が通じ、東北自動車道の佐野藤岡(一部は佐野市)、栃木の2つのインターチェンジと東関東自動車道の都賀インターチェンジがある。
 中世は皆川氏の本拠地で、1230(寛喜2)年、皆川に城を築き、1394(明徳5・応永1)年に栃木に平城を築き城代を置いた。1609(慶長14)年、皆川氏滅亡後、江戸時代には巴波川(渡良瀬川の支流)の河川交通による市場町、日光例幣使街道の宿駅として栄えた。1871(明治4)年から13年間、栃木県の県庁所在地であった。
 中東部の大宮、国府地区を中心に機械工業が発展したが、在来食品工業のみそ、清酒、漬物などに加え、西部の皆川、吹上地区にある食肉加工、洋酒などの生産が増加した。東南部の旧太平町地区は日立製作所、いすゞ自動車の工場やその下請工場が集まる工業の町として発展。さらにその南部に続く旧藤岡町地区には縫製工場と機械・電気関係の中小工場が立地。また、遊水地のヨシ・スゲを利用した農閑期の葭編みや菅笠の特産品もある。
 北東部から南東部にかけては関東平野に連なる平坦地が広がり、県内有数の農業地帯でもある。米、大麦をはじめ、イチゴや野菜の施設園芸の他、観光ブドウ園などにも力を入れている。
 西に三毳山と岩船山、中央には太平山を中心とする太平山県立自然公園が広がり、南にはラムサール条約登録地である「渡良瀬遊水地」など有している。市街地の巴波川沿いは土蔵や見世蔵が連なり、嘉右衛門町伝統的建造物群保存地区に選定される。西部に太平山県立自然公園があり、本市出身の山本有三の『路傍の石』の文学碑も建てられている。その南麓に七不思議の寺として知られる大中寺、また晃石山の南麓に「滝の観音」で知られる清水寺がある。国指定史跡に下野国庁跡(田村町)、吾妻古墳がある。木の八幡宮(都賀地区)の例祭に奉納される杖術は県指定無形民俗文化財である。

観光資源一覧

太平山神社の写真

太平山神社 (栃木県 栃木市 )

栃木駅の西方約4km、太平山(343m)の山頂の東側には太平山神社が鎮座する。祭神は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)。創建は827(天長4)年に円仁が当山に参拝した際とも、神護景雲年間(767~770年)ともいわれるが、明らかではない。  境内には、太平山神社(太平権現)、連祥院般若寺などがあり、平安時代以来神仏習合の霊場であった。約1,00...

栃木市の町並みの写真

栃木市の町並み (栃木県 栃木市 )

まちの北から南へ渡良瀬川の支流巴波川が流れ、西に太平山がそびえている。江戸時代には巴波川の河川交通により、卸問屋が集まる町として発達し、また例幣使街道の宿場町としても栄えた。  1871(明治4)年には栃木県庁が置かれ、栃木県の県庁所在地として急速に繁栄したが、1884(明治17)年に宇都宮に県庁が移り、県名だけが残った。  ...

満願寺の写真

満願寺 (栃木県 栃木市 )

栃木市内の北西、出流山(いずるさん)の中腹、老杉におおわれた静寂境にある坂東三十三ケ所霊場第17番札所。765(天平神護元)年、勝道上人が開いたといわれ、820(弘仁11)年、弘法大師の巡錫の折、本尊の千手観音像を刻んで安置したと伝えられる。勝道上人が日光を開いたことから徳川氏の尊信が厚く、日光の修験僧は必ず一度はここで修行...

高勝寺の写真

高勝寺 (栃木県 栃木市 )

JR両毛線岩舟駅の北方、約200mの岩船山*山頂にある。770(宝亀元)年、弘誓坊明を願という地蔵信仰に厚い僧が、夢のお告げにより、生身の地蔵菩薩を求めて岩船山に登ったところ、夢の通りに地蔵を拝したとして、堂宇を建てたのが始まりという。入口の山門は弁柄塗装の楼門で、1742(寛保2)年の再建、棟高12.95mは県内一の大きさ。山上には...

とちぎ秋まつりの写真

写真提供:(一社)栃木市観光協会

とちぎ秋まつり (栃木県 栃木市 )

栃木に山車が誕生したのは、1874(明治7)年、県庁内で行われた神武祭典のとき。倭町3丁目が東京日本橋の町内から購入した静御前の山車と、泉町が宇都宮から買い求めた諫鼓鶏(かんこどり)の山車を参加させたのが始まり。1893(明治26)年に、新調した三国志の人形山車が3台、ほかに神武天皇の人形山車が加わり、6台となった。1906(明治39...