佐野市は、栃木県の南西部に位置し、足利市、栃木市、鹿沼市、群馬県桐生市、館林市、みどり市、板倉町に接する。北部は足尾山地の山岳・森林地帯で、南部は秋山川、旗川の沖積地や渡良瀬川沿岸の平野が広がる。
 JR両毛線、東武鉄道佐野線が通じ、市街の北方を国道293号、南方を国道50号が東西に走る。東北自動車道の佐野藤岡インターチェンジ(一部は栃木市)と北関東自動車道の佐野田沼インターチェンジがある。
 市街地は、佐野藩(佐野氏、堀田氏)の城下町、市場町、日光例幣使街道の宿駅などの機能を母体に発展した。古くから佐野縮の産地として知られ、婦人、子供服の縫製業と各種の織物業が盛んで両毛機業圏の一環をなしている。1965(昭和40)年から犬伏地区に佐野工業団地が造成され、金属、機械、電気機械、化学工業など30工場以上が進出している。際物製造も盛んで、正月用・節供用掛軸、羽子板、鯉幟などが生産されている。また田沼は一瓶塚稲荷の門前町として知られ、旧葛生町のドロマイトの生産は全国一を誇る。
 農業は、米と麦の二毛作による水田農業が盛んである。
 観光資源には、日本名水百選に選ばれた「出流原弁天池湧水」、万葉集にも詠まれ、かたくりの花が群生する「三毳山」、旗川の源流にあり利根川水系百選にも選ばれ、別名「幻の滝」とも呼ばれている「三滝」、秋山川上流沿いに咲く「ザゼンソウの群生地」、平将門の討伐やムカデ退治伝説で有名な藤原秀郷公が築いたといわれる「唐沢山城」、関東三薬師の一つ「佐野厄除け大師」、生涯をかけて足尾鉱毒問題に取り組んだ田中正造の旧宅などがある。

観光資源一覧

万葉自然公園かたくりの里の写真

写真提供:(一社)佐野市観光協会

万葉自然公園かたくりの里 (栃木県 佐野市 )

三毳山(みかもやま)は、万葉集にも詠まれた佐野市の東部に位置する美しい山。北斜面の中腹1.5ヘクタールに150万株のカタクリが群生している。カタクリの見頃は、3月中旬から3月下旬頃。  また、春のイチリンソウ、チゴユリ、夏のヤマユリ、キツネノカミソリ、秋のキバナアキギリ、ヤマトリカブトなど、数多くの野草や樹木が花を咲かせる。

惣宗寺(佐野厄除大師)の写真

惣宗寺(佐野厄除大師) (栃木県 佐野市 )

開基は藤原秀郷と伝えられ、佐野城跡のある春日岡にあったが、1600(慶長5)年、佐野城築にあたり現在の地に移転した。  境内は広く、本堂、鐘楼など古い堂宇が建つ。境内の北西部に東照宮が祀られ、本殿・拝殿・唐門・透塀が県の文化財に指定されている。江戸時代後期の建築様式が随所にうかがえ、なかでも欄間、妻飾りの装飾彫刻は見事で...