燕市は、新潟県の中央、信濃川と中ノ口川分流点に位置し、新潟市、長岡市、三条市、弥彦村に接する。市域は西部の国上山周辺を除いてほぼ平坦な地形で、越後平野の一角をなす農地が広がっている。
 JR弥彦線、越後線が通じ、新潟交通の分岐点にもあたる交通上の要衝で、上越新幹線の燕三条駅や、北陸自動車道の三条燕インターチェンジも設置されている。
 古くは、信濃川三角州の自然堤防上の渡し場として発生し、近世は中ノ口川通船の河岸場町として栄えた。洋食器の町としての発展は、近世中期三条金物町の一環として、やすり、きせる、銅器などを特産とする町鍛冶から始まり、第二次世界大戦後、金物業の不振から洋食器の試作に転換して、輸出洋食器生産が躍進し、洋食器の町として知られるようになった。
 近年は輸出洋食器の不振で、金属ハウスウェアを筆頭に、プラスチック製品、農機具、ゴルフクラブなどの多角的な軽金属工業にかわり、工業団地が造成されている。
 農業では、水稲、トマト、なす、えだまめ、きゅうり、長ねぎ、梨、いちじく、柿などの栽培、養豚が行われている。
 観光資源には、大河津分水路の桜、八王寺の白藤(県天然記念物)、国上山のブナ林、燕市産業史料館、分水良寛史料館、長善館史料館の他、分水おいらん道中、戸隠神社春季祭礼、吉田天満宮祭礼、飛燕夏まつり、分水まつり、吉田まつり、燕大花火大会、戸隠神社秋季祭礼、越後くがみ山酒呑童子行列などの行祭事・イベントがある。

観光資源一覧

信濃川(大河津分水)の写真

写真提供:国土交通省北陸地方整備局

信濃川(大河津分水) (新潟県 燕市 )

3年に1度の頻度で水害が発生していた越後平野。潟や沼が点在する低湿地帯であるため、水はけが悪く浸水が長期化したほか、腰まで水に浸かりながら稲刈りをする泥沼の深田が各地に広がっていた。その惨状は良寛も嘆くほどであった。  1896(明治29)年7月22日に発生した「横田切れ」では越後平野のほぼ全域が約1か月にわたって浸水し、食料...

信濃川(河口付近)の写真

信濃川(河口付近) (新潟県 小千谷市 / 新潟県 十日町市 / 新潟県 燕市 / 新潟県 新潟市 / 新潟県 他 )

山梨・埼玉・長野の三県にまたがる甲武信ガ岳(2,475m)に源流を発し、千曲川として善光寺平に入ると最大の支流である犀川をあわせ、飯山盆地を経て、信越国境を越えて初めて、信濃川に名を改める。信越国境から小千谷までの「中流域」は、幾段もの河岸段丘を形成し、小千谷からは自らの土砂で生成した越後平野を貫流、新潟市で日本海に注ぐ...