新発田市は、新潟県の北部に位置し、新潟県北部の蒲原平野の中心をなす商工業都市で、新潟市、阿賀野市、胎内市、聖籠町、阿賀町、福島県喜多方市、山形県小国町に接する。
 JR羽越本線が通じ、白新線を分岐する。日本海東北自動車道の聖籠新発田インターチェンジが隣接する聖籠町にある。国道7号のバス交通の基点で290号、460号も走る。
 中世豊田庄の豪族新発田氏の居城が築かれたのに始まり、近世は上杉氏にかわった堀氏の与力大名であった溝口氏(新発田藩)六万石の城下町として270年間続いた。街はいまも城下町形態を残し、当時の表門、隅櫓(国指定重要文化財)や堀跡、溝口氏の下屋敷の清水園、足軽長屋(国重文)など城下町遺跡も多い。
 付近は古くから加治川銘柄米の産地として知られた穀倉地帯で、農村の買い物町、六斎市場町としても賑わった。明治・大正時代は上流の赤谷鉄鉱山の全盛で、太平洋金属などの製銅・機械工業も盛んであった(鉱山は1968(昭和43)年廃鉱)。その後は、新国道7号バイパスに沿って食料品、醸造業、衣服、木材工業がこれにかわっている。農村部では園芸農、酪農、養豚が盛んで、近代的複合型農業開発に力が注がれている。主要農産物としては、米、アスパラガス、イチゴ、ネギ、オクラ、ブロッコリー、イチジク、 おうとうなどがある。
 北西には白砂青松と形容される美しい海岸が広がり、南東の山岳地帯には豊かな自然景観に恵まれた磐梯朝日国立公園、胎内二王子県立自然公園がある。南西部の月岡には大正期に噴出した月岡温泉がある。観光施設としては、ニノックススノーパーク、蕗谷虹児記念館、刀剣 伝承館・天田昭次記念館、市島邸、五十公野公園などがある。

観光資源一覧

月岡温泉の写真

写真提供:月岡温泉観光協会

月岡温泉 (新潟県 新発田市 )

月岡駅の東約4km。1915(大正4)年、石油をボーリング中噴出した温泉*。およそ大小20軒の旅館や、みやげ物店が軒を連ね、華やいだ温泉街を形成、「歩きたくなる温泉街」を目指している。岩室温泉とともに新潟市の奥座敷として知られている。現在なお、芸妓文化を大切にし、23名の芸妓が活躍する(2020(令和2)年1月現在)。

市島邸の写真

市島邸 (新潟県 新発田市 )

月岡駅の北西にある。阿賀野市水原の市島家*旧邸が戊辰戦争の兵火により焼失したあと、1876(明治9)年に建てられたもの。  現在、2万6,000m2の敷地に、茶室の水月庵、約150mの渡り廊下、93畳の広さがある南山亭など明治初期の建築作風を残した2,000m2の建物と、広い回遊式庭園の静月園、背後に竹林・梅林がある。...

新発田城跡の写真

新発田城跡 (新潟県 新発田市 )

鎌倉時代初期、新発田氏*による築城といわれ、代々、新発田氏居城となっていたが、上杉景勝に反乱を起こし敗れ、落城。新発田氏は滅亡した。そのあと、1598 (慶長3)年、6万石の所領を得て入封した溝口秀勝*が、新発田氏の居城を一部取り入れて造られた平城で、新発田川の形成した広い自然堤防上に位置した。舟形城・菖蒲城・狐尾曳ノ城*...

清水園の写真

清水園 (新潟県 新発田市 )

1658(明暦4・万治元)年に造られた新発田藩主溝口氏の下屋敷。敷地は4,600坪と広く、庭園は草書体の別記「水」の字を描いた大池泉を中心に樹木や5つの茶室が配され近江八景をとり入れた純京風の回遊式である。  屋敷は1666(寛文6)年に建てられた寄棟造の数寄屋建築で、幕府への配慮からほとんど装飾を施していない。一角に移築された米...