十日町市は、新潟県南部の長野県との県境、千曲川が信濃川と名前を変えて間もないところに位置し、長岡市、上越市、柏崎市、小千谷市、魚沼市、南魚沼市、津南町、湯沢町、長野県栄村に接する。市の東側には魚沼丘陵、西側には東頸城丘陵の山々が連なり、中央部には信濃川が南北に流れ、十日町盆地とともに河岸段丘が形成されている。また、西部中山間地域には渋海川が南北に流れ、流域には集落が点在し、農山村の景観を呈している。最南部は上信越高原国立公園の一角を占め、標高2,000m級の山岳地帯となっている。
 JR飯山線、北越急行ほくほく線が通じ、国道117号、253号の交差する交通の要衝になっている。国道403号、252号も通る。
 古くは妻有庄とよばれ、近世、高田藩の魚沼八組の割元町として栄え、近世中期以後は会津預領の陣屋町が置かれた。この間、魚沼地方の名産小千谷縮の四大市場の一つになり、盆地内の手織縮を集散する問屋町として発展した。近世末には縮が衰退し始めたので、1820(文政3)年ころから高機を導入した絹縮の透綾織にかわり、近代は「十日町明石」の名で「東の西陣」とよばれる高級絹織物産地に発展した。
 農業では、稲作のほか高位段丘面は原とよばれる高原台地で、雑穀、杉苗、イチゴの特産がある。
 1999(平成11)年、深鉢形土器群(火焔型、王冠型を含む)などの笹山遺跡出土品は新潟県初の国宝に指定された。越後縮の紡織具及び関連資料は国の重要有形民俗文化財に指定され、前述土器群とともに十日町市博物館に収蔵されている。
 高位段丘と豪雪地帯で有名な十日町市は、例年2月の第3金~日曜日に「雪祭り」が行われる。雪の芸術展と着物ショーを中心に、鳥追い、ほんやら洞、十日町太鼓などの雪国の民俗行事が盛大で、全国から48万人の観光客を集めている。また、松之山、十日町、清津峡の温泉郷を有する。
 なお、十日町市と津南町を会場に3年に一度開催される世界最大規模のアートの祭典「大地の芸術祭」は特に有名である。

観光資源一覧

十日町雪まつりの写真

写真提供:十日町雪まつり実行委員会

十日町雪まつり (新潟県 十日町市 )

十日町雪まつりは、1950(昭和25)年2月4日・5日に初めて開催された。  「雪を友とし、雪を楽しむ」という住民の自発的な思いから生まれたこの雪まつりは、冬の厳しさも美しさも知り尽くし、雪に打ち克つ気概が生んだ発想。 こうした発想の背景には、終戦以降、製造が禁止されていた絹織物製品の生産が再開され、地元産地を元気にさせるよ...

へぎそばの写真

写真提供:小千谷観光協会

へぎそば (新潟県 小千谷市 / 新潟県 十日町市 )

小千谷市と魚沼市を中心とした魚沼地方が発祥とされる小千谷ソバ。織物の糊付けに用いる海藻の「布海苔(ふのり)」をつなぎに使用しており、なめらかで独特のコシの強さが特徴。「へぎ」と呼ばれる四角い板状の器に一口程度に小分けして丸める「手振り」で盛りつけられるので、へぎソバと呼ぶが、独特な盛り付けから、「手振りソバ」ともい...

信濃川(河口付近)の写真

信濃川(河口付近) (新潟県 小千谷市 / 新潟県 十日町市 / 新潟県 燕市 / 新潟県 新潟市 / 新潟県 他 )

山梨・埼玉・長野の三県にまたがる甲武信ガ岳(2,475m)に源流を発し、千曲川として善光寺平に入ると最大の支流である犀川をあわせ、飯山盆地を経て、信越国境を越えて初めて、信濃川に名を改める。信越国境から小千谷までの「中流域」は、幾段もの河岸段丘を形成し、小千谷からは自らの土砂で生成した越後平野を貫流、新潟市で日本海に注ぐ...

大地の芸術祭の写真

写真提供:Photo by Nakamura Osamu

大地の芸術祭 (新潟県 十日町市 / 新潟県 津南町 )

「大地の芸術祭」は、越後妻有地域の里山で開催される国際芸術祭である。2000(平成12)年に開始し、2018(平成30)年で第7回目を迎えた。基本理念は「人間は自然に内包される」。  越後妻有とは、十日町市と津南町にまたがる760km2、人口約5万人の地域である。十日町、川西、津南、中里、松代、松之山の各エリアに分かれ、それ...