西予市は、愛媛県の南部中央に位置し、北は八幡浜市、大洲市、南は鬼北町、宇和島市と、西は宇和海に面し、東は久万高原町、内子町と、四国カルスト高原を隔てて高知県と接する。市域は東西に細長く、西部は宇和海に面してリアス式海岸を形成、丸石山、雨包山などの高山がそびえる。
 肱川の上流域とその支流である岩瀬川、黒瀬川、船戸川等が流れる。中央部には南予最大級の穀倉地帯の宇和盆地、野村盆地が開ける。東部の四国山地のカルスト台地から西部の宇和海に接する海岸まで標高差約 1,400m に及ぶ変化にとんだ地形で、豊かな自然と優れた景観を有しており、多様な自然や生態系から市全域が四国西予ジオパークとして日本ジオパークに認定されている。
 JR予讃線が笠置トンネルで北の八幡浜市、法華津トンネルで南の宇和島市に抜ける。国道56号、197号、378号、441号が通り、松山自動車道西予宇和インターチェンジがある。
 高知県境に近い山間部の穴神洞遺跡からは縄文時代草創期の微隆起線文土器が出土する等、多くの遺跡がある。鎌倉時代は皇室領宇和荘に含まれた。
 ヒノキの良材で知られる。農業は米、キウリなどの野菜のほかクリ、ミカン、県下屈指の生産額のユズ栽培、イチゴ・ブドウなどの施設園芸が行われる。酪農・畜産は県下最大級の規模を誇る。漁業は大型巻き網漁やリアス式海岸の入江を利用した真珠・ハマチ・ヒラメの養殖などが盛ん。城川町地区は和紙(仙貨紙)や木蝋が特産。
 明浜町地区の海岸線は佐田岬半島宇和海県立自然公園、北東部、高知県に接する大野ヶ原は四国カルスト県立自然公園の一部。法華津峠一帯は足摺宇和海国立公園に含まれる。
 各地域には歴史的建造物や古墳群など数多くの文化遺産のほか、民俗芸能や伝統行事が保存伝承されている。卯之町(松葉朝)は在郷町・宿場町として発展し、宇和島への道沿いの町並みは重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。城川町地区、野村町地区には巡礼者などの茶の接待をする茶堂が多い。

観光資源一覧

卯之町の町並みの写真

写真提供:西予市役所

卯之町の町並み (愛媛県 西予市 )

重要伝統的建造物群保存地区に全国で86番目に選定された「卯之町(うのまち)の町」には、歴史人物由来の地や歴史価値の高い建築物が当時の姿そのままに残っている。  白壁、格子戸(こうしど)、半蔀(はじとみ)、卯建(うだつ)などが特徴の江戸末期から昭和初期の建築物などである。  「開明学校」は学制が公布された1872(明治5)年...