椎葉村は、宮崎県の北西、九州山地の中央に位置し、北は五ヶ瀬町、東は諸塚村、美郷町、南は西都市、西米良村、西は熊本県山都町、八代市、水上村と接する。総面積の9割強を山林が占め、地形は1,000mを越える峻険な九州山脈に抱かれた傾斜地が多く、集落はその山間に点在している。国見岳や市房山などがそびえる。耳川、一ツ瀬川もここから発する。
 国道265号、327号、388号が通る。
 村の起源は中世の隠田集落といわれ、平家の落人伝説が伝わり、源氏の那須大八郎と平氏の鶴富姫との哀話が残る。
 基幹産業は豊かな自然環境と森林資源を活かした農林業であり、林業はスギ、ヒノキを中心とした木材生産を行っており、農業は高冷地の特性を生かし、花卉や野菜の生産が行われている。
 四季の移ろいの中で見せる様々な自然の美しさや人々の営みは、日本の原風景が感じられる。耳川には上椎葉、岩屋戸の2発電所がある。前者はアーチ式ダムで、ダムによってできた人造湖は「日向椎葉湖」と名付けられ、村のシンボルとして親しまれている。
 上椎葉には伝統的民家で鶴富屋敷ともよばれる那須家住宅(国指定重要文化財)があり、隣接して日本初の民俗芸能を専門的に取り上げた椎葉民俗芸能博物館がある。また、十根川地区は1998(平成10)年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された。民謡「ひえつき節」の里としても知られ、椎葉神楽は国指定重要無形民俗文化財に指定されている。
 なお、2015(平成27)年12月には、「世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域(高千穂町、五ヶ瀬町、日之影町、椎葉村、諸塚村)」に認定されている。

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