指宿市は、薩摩半島の最南端、鹿児島湾口に位置する。東は錦江湾を隔てて大隅半島と対峙し、北は鹿児島市、西は畑作地帯が広がる南九州市と隣接している。南は東シナ海に臨み、明媚な風光を誇っている。市街地は、主に海岸沿いに形成されており、開聞岳周辺の地域では開聞岳より内陸に形成されている。
 JR指宿枕崎線、国道226号が通じる。
 第二次世界大戦後、観光地化が進展、摺ヶ浜をはじめ海浜地区にはホテル、旅館が整備され、一大温泉都市となった。
 中央部には九州一の大きさを誇る池田湖、南西部には薩摩富士の別名で呼ばれる秀峰開聞岳、南部には南国ムード漂う長崎鼻、東部には潮の干満で陸続きになる、環境省のかおり風景百選に認定された知林ヶ島を有している。市の全域を霧島火山脈が縦断しており、世界に類を見ない「天然砂むし温泉」をはじめ、豊富に湧出する温泉に恵まれている。
 1日に10万トンも湧き出る清水に代表され、豊かな水環境を有する唐船峡の周辺地域は、国土交通省の水の郷百選に認定されている。さらに、市内には橋牟礼川遺跡や水迫遺跡に代表される歴史的にも貴重な発見のあった遺跡が多くあり、歴史のまちとしても知られている。
 温暖で亜熱帯的な気候のため、市内にはソテツが自生し、幸せを呼ぶ熱帯蝶のツマベニチョウが乱舞する北限の地とも言われている。

観光資源一覧

開聞岳の写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

開聞岳 (鹿児島県 指宿市 )

薩摩半島の最南端に位置する標高924mの独立峰。縄文時代からたびたび噴火を繰り返してきた活火山で、885(仁和元)年の噴火で今の姿になり、現在は活動を停止している。日本百名山*のひとつ。山全体が樹木におおわれていて、その美しい円錐形の山容から薩摩富士ともよばれる。崖となって落ちる海側とは対照的に、陸側はゆるやかな裾野が広が...

池田湖の写真

池田湖 (鹿児島県 指宿市 )

薩摩半島の南東部にある、九州最大の湖。周囲15km、水深233m。約5500年前に開聞岳の噴火によって池田火山が陥没してできたカルデラ湖。湖の北西側に駐車場があり、湖岸に開聞岳を望む景勝地でもある。一帯は四季折々の花がきれいに咲いている。北西岸を除いて湖の周囲のほとんどが急崖。湖水は藍色に澄んでいる。

指宿温泉郷(指宿、山川伏目海岸)の砂むし温泉群の写真

指宿温泉郷(指宿、山川伏目海岸)の砂むし温泉群 (鹿児島県 指宿市 )

20余りの湧出地区がある、九州を代表する温泉郷のひとつ。なかでも特徴的なのが、世界でも珍しい海岸から自然湧出する温泉の熱を利用した天然の「砂むし」場があること。体を砂の中に埋めての砂むし湯治が300年以上前から行われている。現在、砂むしを行っているのは2か所。摺(すり)ガ浜と山川伏目(やまがわふしめ)海岸で、いずれも泉質...

枚聞神社の写真

写真提供:枚聞神社

枚聞神社 (鹿児島県 指宿市 )

古来より薩摩一の宮*として、地元の人々から篤く信仰されてきた神社。特に、交通・航海の安全や、漁業守護の神として崇敬されている。縁起は定かでないが、現在の社殿は1600(慶長5)年に島津義弘が創建し、のちに改修された。  開聞岳を仰いで参拝するために北向きに建てられた社殿は、総漆塗り。元々は開聞岳をご神体とし、今も開聞岳の...