出水市は、鹿児島県の北西部に位置し、陸の三方を阿久根市、薩摩川内市、さつま町、伊佐市及び熊本県水俣市に接し、北西は八代海(不知火海)に臨む。
 市域の北東部に矢筈山系、東部に朝日岳山系、紫尾山系によって三方を山地部で囲まれ、米ノ津川、高尾野川、野田川が市域を貫流し、八代海(不知火海)へ注ぐ。これらの河川が扇状地と沖積面を形成し、近世の干拓地とともに出水平野を造り出した。
 農業は、普通作をはじめ、野菜、果樹、植木・緑化樹、畜産等の多様な生産活動が行われ、市の基幹産業となっている。工業は、電気機械器具・飲食料品・飼料等の製造を行う多種多様な誘致企業や地元企業が存在する。
 観光面では、ツルの渡来地としても知られており、「鹿児島県のツル及びその渡来地」として国の特別天然記念物にも指定されている。渡来数は約1万羽と日本一を誇り、干拓地の近くの「出水市ツル観察センター」には多くの観光客が訪れている。また、約400年前の面影を残し、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「出水麓武家屋敷群」もある。
 このほか、約5万坪の広大な敷地に、あじさいが咲き誇る「東雲の里・あじさい峡」、日本最古の禅寺と言われる「感応禅寺」、一刀彫りで日本一の高さを誇るお地蔵様がある「八坂神社」も人気のスポットとなっている。

観光資源一覧

きびなご料理の写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

きびなご料理 (鹿児島県 薩摩川内市 / 鹿児島県 阿久根市 / 鹿児島県 出水市 / 鹿児島県 南さつま市 / 鹿児島県 枕崎市 )

キビナゴは鹿児島県の沿岸に広く分布しており、昔から人々の食卓にのぼってきた。鹿児島県は現在、キビナゴを市場に流通させている数少ない地域の一つだ。身がやわらかいので手開きにして、刺身を酢味噌で食べたり、南蛮漬けがポピュラー。

出水のツルの写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

出水のツル (鹿児島県 出水市 )

出水は日本最大のツルの渡来地。出水市の北西部、八代海に臨む出水平野の荒崎地区一帯に、毎年10月中旬になるとシベリア方面から多種類のツル*が渡来してくる。12月下旬から1月上旬の間が最も数を増し、ナベヅルを中心に、マナヅル、クロヅル、カナダツルなど、多い年は7種類、1万羽以上がやってくる。翌年2~3月の北帰行までの間、ツル保...

出水麓の町並みの写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

出水麓の町並み (鹿児島県 出水市 )

鹿児島の最北部、肥後藩との藩境にあった出水麓*は、重要な防衛基地のひとつ。薩摩藩の「外城」として藩内で最初に築かれ、規模も最大だった。出水麓には、3,000人~5,000人の武士たちが暮らし、整然と区画された武家屋敷が立ち並んでいた。碁盤の目のような町割りや、川石を積み上げた石垣、緑の生垣など、今も400年前と変わらぬ風景を残し...