三島村は、薩摩半島南端の長崎鼻から南南西約40kmの位置にある竹島・硫黄島、坊ノ岬から南西約50kmの位置にある黒島の三島及び無人の新硫黄島や数個の岩礁から成り立っており、九州南端から南西にのびる南西諸島の最北部に位置している。
 竹島と硫黄島及び周辺の岩礁は中新期琉球火山脈に属する大型カルデラで、7300年前に大噴火した鬼界カルデラの北西縁にあたる陸上部分をなしている。黒島は宇治群島や草垣群島などと共に旧期琉球火山岩帯に属している。
 第二次世界大戦後、北緯30度以南の島々がアメリカ軍政下に置かれたため、十島村のうち下七島が分離し、1952(昭和27)年、上三島で三島村が成立した。村役場は鹿児島市にある。2001(平成13)年10月から週3回、新たに建造したカーフェリーが鹿児島港とを結んでいる。
 農業は、畜産(黒毛和牛の生産)が主で、農家一戸当りの飼養頭数も増えている。村の大半を占める豊富な森林資源や竹林資源を利用し、林業では、硫黄島でとれる椿の実を絞って作る椿油が村の特産品の一つとして販売されている。
 島の周辺は好漁場に恵まれており、現在、最も売り上げ高が多いのはイセエビ漁である。2004(平成16)年度には「漁業体験船」を建造し都会の人との交流を図るなど、水産業振興にも力を入れている。
 観光面では、特に硫黄島が、火を噴く火山「硫黄岳」をはじめ、地球との出会いを実感させる奇観と、無限に湧出する温泉やツワブキ、竹の子などの山の幸や、椿油の原料となる椿の自然林、石鯛等の釣り場、俊寛僧都流罪の遺跡や安徳帝墓所など、観光資源に恵まれている。
 全国各地のヨットマンが参加するミシマカップや、1994(平成6)年から始まった西アフリカの伝統打楽器「ジャンベ」を学ぶワークショップ、1996(平成8)年に世界で初めて伝説の島の砂舞台で上演された三島村歌舞伎「俊寛」は有名である。

観光資源一覧