安中市は、群馬県の西部に位置し、西は長野県軽井沢町に接する。長野県との県境、碓氷峠は古来より交通の難所として知られている。西部に碓氷峠、南部に妙義山を有し、中央部には碓氷川及び九十九川が東西に流れている。中心市街地付近は関東平野末端の低地である。
 中心市街地の安中は古くは野後と呼ばれたが、1559(永禄2)年、安中忠政の築城により安中と改称。1749(寛政2)年から明治初年まで板倉氏三万石の城下町で、北部にその城跡がある。また市内の板鼻、原市、坂本とともに中山道の宿場町、市場町として栄えた。安中-原市間の街道沿いに国の天然記念物のスギ並木が残る。また、横川には碓氷関所跡がある。
 安中市には亜鉛工場や化学工場をはじめ多くの企業が立地している。農業は、養蚕、米麦、畜産、野菜などを中心とした複合経営が発達している。
 市域北西部は上信越高原国立公園に、南西部は妙義荒船佐久高原国定公園に属する。“めがね橋”の愛称で知られる碓氷第三橋梁(国指定重要文化財)、旧丸山変電所などの史跡等が残されている。また、温泉マーク、民話『舌切り雀』発祥の地として知られる「磯部温泉」がある。安中中宿の燈籠人形は国の重要無形民俗文化財に、碓氷峠鉄道施設は国の重要文化財に指定されている。

観光資源一覧

碓氷峠鉄道施設の写真

碓氷峠鉄道施設 (群馬県 安中市 )

横川駅から鉄道文化むら、旧丸山変電所、峠の湯、めがね橋(碓氷第3橋梁)を経て熊ノ平まで、6kmの信越本線アプト式鉄道*時代の廃線跡「アプトの道」周辺の鉄道施設群。線路や枕木を取り除き、歩きやすい道として整備されており、第1号から第10号までのトンネル、めがね橋を含め3つの橋梁がある。  旧丸山変電所は碓氷線電化のため、1912...

碓氷峠鉄道文化むらの写真

写真提供:(一財)碓氷峠交流記念財団

碓氷峠鉄道文化むら (群馬県 安中市 )

1997(平成9)年の長野新幹線開通により横川~軽井沢間が廃止となり、JR横川駅に隣接する車両基地跡に1999(平成11)年開設された鉄道テーマパーク。  鉄道車両が数多く展示されている屋外展示スペースと、廃線時まで使われていた検修庫を利用した鉄道展示館、大型の鉄道ジオラマや碓氷峠の歴史資料を展示している鉄道資料館、これらに加え...

峠の釜めしの写真

写真提供:©2019 Oginoya Inc.

峠の釜めし (群馬県 安中市 )

1885(明治18)年、信越線横川駅の開業時に「おにぎり2個とたくあん」を販売した荻野屋。その後、急勾配の碓氷峠を越えるため横川駅でED42形電気機関車の連結が必要で、その停車待ち時間に「あたたかくて家庭的で楽しい弁当が食べたい」という旅行者の要望から1958(昭和33)年に販売を開始したのが峠の釜めし。  1962(昭和37)年には自動...

妙義山の写真

写真提供:富岡市

妙義山 (群馬県 富岡市 / 群馬県 安中市 / 群馬県 下仁田町 )

群馬県の南西部にあり、赤城山・榛名山とともに上毛三山の一つに数えられている。那須火山帯浅間火山群の一つ。山全体が浸食を受けやすい輝石安山岩と凝灰角礫岩でできているので、石門群や大砲岩などの奇岩が多い。  山は3峰に分かれ、安中市側から白雲山・金洞山・金鶏山と三角形を描くようにそびえる。白雲山は妙義神社の背後にあり、山...