小田原市は、神奈川県の南西部に位置し、南西部は箱根連山につながる山地に、東部は大磯丘陵につながる丘陵地帯になっている。市の中央には酒匂川が南北に流れて足柄平野を形成し、南部は相模湾に面している。JR東海道新幹線、東海道本線、小田急電鉄小田原線などの鉄道や幹線道路が通じる交通の要衝である。
 黒潮の影響を受けた温暖な気候と適度な雨量が、梅やみかんをはじめとした多くの農産物を育んでいる。かまぼこ・梅干し・竹製ものさしが特産品となっている。酒匂川沿いには電機・化学・窯業などの工場が立地している。
 応永年間(1394~1428年)、大森頼明が小田原に城を築いたのち、北条早雲がこれを追って小田原に入り、1495(明応4)年以後5代約100年にわたる繁栄をもたらした。1590(天正18)年の秀吉の小田原攻めで一時衰退したが、江戸時代には小田原藩の城下町として、また箱根を控えた東海道一の宿場町として賑わった。
 国指定史跡の小田原城跡周辺は城址公園として整備されており、多くの観光客が訪れる。

観光資源一覧

小田原城の写真

写真提供:小田原城総合管理事務所

小田原城 (神奈川県 小田原市 )

小田原城は、小田原駅の西南、相模湾に向かって延びた箱根外輪山麓の台地上にある。  1416(応永23)年、土肥氏に代わった大森氏の治世を経て、1500年頃に小田原北条氏の初代 早雲が小田原城へと進出した後、五代約100年に渡り関東一円を支配した。1590(天正18)年の豊臣秀吉の小田原攻めにより北条氏が五代で滅んだ後は、家康の家臣の大...

石垣山城の写真

写真提供:小田原城総合管理事務所

石垣山城 (神奈川県 小田原市 )

一夜城は伝説の話。実際は1590(天正18)年、豊臣秀吉が水陸15~16万の大軍を率いて小田原北条氏を包囲し、その本営としてこの地に、関東初の総石垣の城を築いた。建設には約4万人が動員され、82日間を費やした。石積みは近江の穴太衆(あのうしゅう)による野面積(のづらつみ)で、長期戦に備えた本格的な城構えであった。公園面積は約5.8h...

小田原文学館の写真

小田原文学館 (神奈川県 小田原市 )

文学館の建物は、明治時代から昭和戦前期にかけての陸軍軍人、官僚、政治家であった田中光顕の元別邸で、1937(昭和12)年築のスパニッシュ様式の本館、1924(大正13)年築の和風建築の別館ともに国登録有形文化財である。  本館1階は尾崎一雄、川崎長太郎など小田原出身の文学者、2階は谷崎潤一郎、三好達治など小田原に居住した文学者の...

松永記念館の写真

写真提供:松永記念館

松永記念館 (神奈川県 小田原市 )

本館展示室は、「電力王」と言われた松永安左エ門(耳庵 じあん)が収集した古美術品を一般公開するために、「財団法人松永記念館」を設立し、建設したもの。財団の解散後は、市に寄付し、市が管理している。本館2階は松永の意向が反映された茶室が保存されている。広間の太い床柱は平等院山門に使用されたものといわれ、横浜の三溪園で知ら...

神奈川県立生命の星・地球博物館の写真

写真提供:神奈川県立生命の星・地球博物館

神奈川県立生命の星・地球博物館 (神奈川県 小田原市 )

神奈川県立生命の星・地球博物館は、地球の歴史と生命の多様性をテーマとする自然史系博物館である。竣工は1994(平成6)年、延べ床面積は19,020m2で、実物標本は巨大な恐竜や隕石から豆粒ほどの昆虫まで約1万点にのぼる。  1階の常設展示室では、地球誕生のなぞについて隕石やクレーター形成などをもとに解説を行う「地球を考...