那覇市は、沖縄県の本島南部に位置し、西方に東シナ海を擁し、南北及び東の三方は他の市町村と隣接している。旧市内を中心とする中央部はほぼ平坦をなし、これを取り巻くように周辺部には小高い丘陵地帯が展開している。
 1,500kmの円周域に東京、香港、ソウル、北京、マニラなどの国内外の主要都市を含み、古くより東南アジアの各都市を結ぶ交通通信の要衝地点、アジア諸国との交易拠点として発展してきた。現在は、沖縄県の県庁所在地で、政治・経済・文化の中心となっている。
 空路では那覇空港、海路では那覇港、那覇新港、泊埠頭を有することから「沖縄の玄関口」であり、離島への中継地としても重要な位置づけにある。
 那覇市には琉球王国に由来する文化や史跡が数多く残されており、2000(平成12)年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産登録された文化史跡9カ所のうちの4カ所や、それに関連する歴史的建造物や拝所・霊廟、民俗文化、風習などが存在する。那覇ハーリー、那覇大綱挽、琉球王朝祭り首里などの伝統的な祭りの他、エイサー大会や王朝行列、スポーツ大会など、様々な行事やイベントも開催されている。

観光資源一覧

玉陵の写真

玉陵 (沖縄県 那覇市 )

首里城の西、守礼門から約200m離れた場所にある第2尚氏王統の陵墓。1501(明応10・文亀元)年、尚真王が父である尚円王のために造営した壮大な石造建造物で、墓域は2,442m2。外庭と内庭に区切られ、内庭に墓室がある。3つに分かれた墓室の出入口には石扉が設けられ、墓室の左右を獅子像が守っている。中央の墓室は洗骨前の遺骸を...

首里城の写真

首里城 (沖縄県 那覇市 )

1429(正長2・永享元)年から約450年にわたって存在した琉球王国。そのシンボルであった首里城は王国時代、王とその家族が住むエリア、王国の政治や外交をつかさどる行政空間、王国が組織した神女たちによる祈りの空間の、大きく3つのエリアからなっていた。  城は沖縄戦で大破したが、1992(平成4)年に復元整備されて公開が始まった。そ...

国際通りの写真

国際通り (沖縄県 那覇市 )

那覇のメインストリート。県庁北口交差点(パレットくもじ前交差点)から安里三叉路までの約1.6kmの通りで、琉球料理店やステーキハウスなどの飲食店をはじめ、土産物店やホテルなどが軒を連ね、沖縄随一の賑わいをみせている。  沖縄県庁が泉崎に移転したことにより、泉崎と首里を結ぶ道として1934(昭和9)年に完成した「新県道」が前身...

壺屋やちむん通りの写真

壺屋やちむん通り (沖縄県 那覇市 )

那覇の「平和通り」の東側、桜坂の南裏手にある、焼き物の工房や販売店、雑貨店などが並ぶ通り。ゆいレール牧志駅から徒歩約15分。壺屋バス停からは徒歩約1分。平和通り、桜坂などからアクセスできる。通りは歩きやすく整備されていて、車は一方通行。  やちむんとは、沖縄の言葉で「焼き物」のこと。1682(天和2)年に首里王府が3つの窯場...

識名園の写真

写真提供:那覇市文化財課

識名園 (沖縄県 那覇市 )

首里城の南、約3kmの那覇市真地(まあじ)の高台にあった琉球王家の別邸。王族の保養や、中国からの使者(冊封使)をもてなすために、1799(寛政11)年、尚温王の時代に造営された。総面積約42,000m2。「心」という形につくられた園池を中心に、御殿(母屋)・築山・果樹園・樹林と、それらを結ぶ園路からなる。池の周囲を歩きな...

那覇ハーリーの写真

写真提供:那覇市

那覇ハーリー (沖縄県 那覇市 )

ハーリーは豊漁と海の安全を祈願して、沖縄の多くの漁村で旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に行われる競漕行事で、中国から伝来し、琉球に伝えられていたようだが、その由来は諸説ありはっきりしない。  ハーリーとは「爬竜」の中国音で竜をさし、ハーリーに用いる船は舳に竜頭、艫に竜尾を飾っている。琉球王国時代には国王の観覧もあり、冊封...

牧志公設市場の写真

牧志公設市場 (沖縄県 那覇市 )

正式名称は第一牧志公設市場という。1950(昭和25)年に開場し、現在の建物*は沖縄が本土復帰した1972(昭和47)年に建てられた。1階には鮮魚、精肉、漬物、島豆腐、調味料、珍味などの店が100店舗以上ひしめき合い、2階は食堂街で食堂やそば店、サーターアンダギーを販売する店などがある。1階で買った魚介類を2階の食堂に持ち込んで調理し...

那覇大綱挽の写真

写真提供:一般社団法人 那覇大綱挽保存会

那覇大綱挽 (沖縄県 那覇市 )

琉球王国時代の1450年(宝徳2)頃から続く伝統行事で、沖縄の三大綱引きのひとつ。市民安寧、子孫繁栄を祈り、女綱(みーんな)と男綱(をぅーんな)をかぬち棒で結合させ、東西に分かれて綱を挽きあう。1935(昭和10)年を最後に途絶えていたが、本土復帰の前年である1971(昭和46)年、市制50周年記念事業として「10・10那覇空襲」の日に復...

沖縄の豚肉料理の写真

写真提供:垂見健吾

沖縄の豚肉料理 (沖縄県 那覇市 / 沖縄県 名護市 / 沖縄県 石垣市 / 沖縄県 宮古島市 / 沖縄県 他 )

沖縄では豚肉料理の種類がたいへん豊富だ。顔や耳の皮、足、内臓など使う部位も多様で、鳴き声以外はすべて食べるといわれるほど。昭和の初めごろまでは、多くの屋敷で豚を飼っており、豚は大変身近な家畜だった。年の瀬に豚を屠って、正月にはさまざまな料理を食べ、塩漬けにして長く保存したという。豚肉料理のバリエーションの豊かさは、...