美しき日本 全国観光資源台帳

恵那市は、県南東部にある。東は中津川市、長野県の平谷村、根羽村、南は愛知県豊田市、西は瑞浪市、八百津町、北は白川町に接する。
　JR中央本線、明知鉄道、国道19号、257号、363号、418号が通じ、中央自動車道の恵那インターチェンジがある。
　東は恵那山、南は焼山、北は笠置山に囲まれる。市街地の北部を木曽の御岳を源とする木曽川が、また南部には長野・岐阜・愛知の3県を流れる矢作川が流れる。大正13年に木曽川をせき止めて造られた大井ダムをはじめ、阿木川ダムや矢作ダム、小里川ダムなどのダムもあり、ダムが多い市として知られている。
　1954年（昭和29）大井、長島の2町を中心に6村が合併して市制施行。2004年（平成16）4町1村と合併。
旧中山道沿いの大井の宿場町として栄え、美濃十六宿のなかで最大の規模を誇った。屈曲した町筋はいまも残り、東端近くに県指定史跡の本陣跡がある。江戸時代、岩村は岩村藩（1702年以後松平氏）3万石の城下町で、恵那郡南部の商業中心町でもあり、儒学者林述斎、佐藤一斎や下田歌子ら多くの名士を生んだ。明智地区には旗本遠山氏の陣屋が置かれ、尾張から信州飯田に通じる中馬街道が通り、宿馬町、物資の集散地として栄えた。
　山林面積が広く、ヒノキ、スギの育林などの林業が行われている。農業ではトマトなどの野菜栽培、酪農・畜産などが中心。山岡地区では細寒天が全国生産の約80％を占め、コンニャクイモも特産。陶土の原料土が採掘・精製され、陶磁器、耐火れんがなどを生産する。中央本線開通以来、恵那駅前一帯に市街地が発展し、阿木川沿いに段ボール原紙製造・同加工などの工場、また北西の台地上に情報機器・精密機器製造のリコーエレメックス恵那事業所が立地する。現在は東濃地方の商工業の中心地となっていて、恵那テクノパークを中心に先端技術産業の誘致が進められている。
　木曽川沿いの恵那峡は景勝地として有名で、恵那峡温泉、恵那峡県立自然公園、胞山県立自然公園がある。国指定史跡として正家廃寺跡、国指定重要文化財として武並神社本殿があり、岩村本町通りは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。また、笠置山付近のヒトツバタゴ自生地、恵那峡谷近くの傘岩、富田ハナノキ自生地は国指定天然記念物。この他の歴史的な観光資源として、中山道大井宿、女城主の城下町の岩村、レトロな雰囲気漂う日本大正村がある。