蔵王町
印刷する蔵王町は、県南西部の町。北は川崎町、東は村田町、大河原町、南は白石市、西は蔵王連峰を境に山形県上山市に接する。
国道4号、457号、東北自動車道が通じる。また、蔵王エコーラインが刈田岳山頂に通じる。
西部に蔵王連峰がそびえ、蔵王国定公園に含まれる地域。町の中央を白石川支流の松川が流れ、流域に耕地が分布し、稲作や果樹栽培がおこなわれる。町域の 6 割を山林原野が占めており、西部は高原・ 山岳地帯、東部は平野・丘陵地帯となっている。また、町内を流れる藪川流域には湿地帯がある。
1955年(昭和30)2村が合併して町制施行。中世末期には伊達氏の支配が及び、16世紀末には蒲生、上杉領となるが、1600年(慶長5)伊達氏仙台藩領となる。江戸時代には奥羽山脈を挟んで陸奥国を奥州街道、 出羽国を羽州街道が縦貫しており、市域内では奥州街道が白石城下を通過していた。また、奥州街道の宮宿(蔵王町宮)から分岐して永野宿・猿鼻宿・四方峠(蔵王町円田)を経由し、笹谷峠を越えて山形の羽州街道 へ抜ける笹谷街道も設けられていた。複雑な地形環境から、歴史時代には軍事上の要衝地域として 数多くの城館が構築され、しばしば戦乱の舞台ともなり、また、交通の難所でもあった。
果樹栽培を含む農業と観光が主産業。七日原付近は県内でも有数の酪農地帯を形成し、蔵王酪農センターがある。町の東部は良好な水田地帯で、丘陵地を利用した果樹栽培は県下一の生産量を誇る。梨、桃、りんご、蔵王チーズ各種、 にじます、さといも、梅、高原大根、つるむらさき等を特産する。
蔵王連峰がそびえる西部に遠刈田温泉などがあり、蔵王観光の基地となっている。蔵王連峰の御釜、不動滝や三階滝は景勝地として知られ、スキー場が2か所あり、樹氷が見られる。高山植物をはじめとする多様な動植物が生息・生育しているほか、蔵王国定公園・蔵王高原県立自然公園の指定地域となっており、成層火山群の活火山である蔵王火山は地質学的に貴重なフィールドとして「日本の地質百選」に選定されている。また、県内有数の名湯である遠刈田温泉があり、温泉南方の新地は古くからの木地師集落で、こけしを産する。国指定重要文化財に江戸中期の大農家の我妻家住宅がある。伝統芸能として、百貫しめ縄奉納(刈田嶺神社の暁祭り)などがある。